東洋経済の「お弁当作りで消耗する必要はない」記事を読んで

今日はこの記事についてひとこと言いたい。

「お弁当作りはあなたにとって消耗?」
 

東洋経済オンラインで、フランス在住のライターさんが書いた今朝の記事。一部抜粋。 
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フランス人は手の込んだお弁当を作らない。子供の遠足の時でさえ、バゲット、パック入りのハム、チーズ、ポテトチップ、みかんなどをもってきて、子ども自らバゲットにはさんでたべる。フランス人は見栄えのいいお弁当と作ると言う発想がない。共働きをしている知人の母親に「日本のようなお弁当を作ってもらいたいと思うか」と聞くも、「作るのが大変だと思うし、そんなに手間のかかったピクニックは必要ないです」という返事。合理的で、作り手のストレスがないのがフランス流。力が抜けた。日本でもお弁当は簡略化できないか。
という記事だった。

この方はフランスにいるわけだから、郷に入れば郷に従ってもいいと思う。それを求めるならそれでいい。もっというなら、お弁当作りを消耗だと思うのなら、消耗するようなお弁当を作る必要はないと思う。買ってきたもので美味しいものはいくらでもある。家族に作るお弁当がストレスになるのなら、家族はそのストレスを食べているということ。それじゃあ食べるほうが可哀そう。

私がカリフォルニアに留学した時、ホストのママが毎日ランチバックを持たせてくれた。平均的な家庭で、毎週末コストコでドカ買い、朝はダンキンドーナツ、夜はサラダ、オーブンで焼いただけの肉、ポテトが常。ランチには、記事と同じように、パンとハムとチーズ。それにパックのオレンジジュース。たいていバナナかリンゴが入ってた。チーズやパンの美味しさにアメリカとフランスの違いはあるかもしれないけれど似たようなもの。それがアメリカなので不満はない。アメリカはパンが主食で、腸が短い。このランチスタイルが根付いている。もちろん多様化で違う人もたくさんいて、トーフを毎日食べるニューヨーカーもいるらしいけれど、私が知る田舎の家族の大半はそんなのが多い。私が訪れたイギリスでは、夜はオーブン料理だった。共働きのママ(パパ)は帰ってきてオーブンに入れるだけ。だから焼いている間は子供と遊べるというわけで、子どもを産んだ後は参考になるなと思ったのを覚えている。その土地の文化が時代で変化をとげているが、基本はあまり変わっていないのだと思う。

さて、私も毎日お弁当を作っている。最近はスタッフと自分にもおおめに作っている。毎日朝食づくりと合わせて20分ほどしか時間はかけず、ストレス、消耗はほぼない。ちょっときついなという時や寝坊した時などは、おにぎりだけ持たせるだけの時もあるし、学校のカフェで食べてねという時もある。できない自分はあっさり許す。

私はなぜお弁当を「消耗」だと思わないか。それは、「お弁当にバランスが良く、安全な昼食と食べさせたい」から。それが1時間もかかるなら毎日はやれてない。私は道具屋なので短時間で美味しくできる道具がわかるし、おにぎりと玉子焼き、茹でた野菜に塩をかけるだけでも十分だと思う。私の母のように忙しい中、ぱぱっと作ってくれたように、同じようにやっている。

記事であるように、まわりがどんな手の込んだお弁当を作ろうが、見栄えが悪かろうが、帰宅した子供が洗わなかろうが、たまに簡素化しようがしまいが、そんなの基本的には気にしない。作ってあげたいという自分の気持ちが大切だと思っている。だからフランスがどうであれ、日本がどうであれ、気にする必要なんて全くないのだ。この子に、何を食べさせたいか、何がいいのかだけを考えれば、それがおにぎりにたくわんだけだろうが、さしみを入れたパンであろうが、かまわない。

フランス人と日本人が違うとすれば、人は人、自分は自分と思っているところかもしれない。力をぬくのは、パンチーズで納得するのではなく、頑張りすぎないということだけ。ストレスに感じないようなちょっとした料理の知識なんて、今の時代すぐに手に入る。消耗、なんていう言い方は、子どもたちに残してほしくない。

ここまで書いたらスタッフから注意されてしまたt。世の中には料理苦手の人もいますしねーと。
いやぁ、そうでしょうそうでしょう。だから、おにぎりだけでもいい、気負わないでいいと、これからのママたちには伝えたい。

この記事を書いた記者が「力が抜けた」というのは、第一歩。力を抜いたうえで楽しく工夫できたらいい。
手間はかけなくても思いをこめることは誰でもできる。

フランスのマネでなく、日本ならではのお弁当とそこにこめる純粋な思いが、祖母から母へ、母からわたしへ、わたしから娘へ、娘からその先へ続いていくと信じている。

by kitchenparadise | 2017-02-21 15:19 | 私、こう思う


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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