カテゴリ:本と言葉( 95 )

「酒肴ごよみ365日」

友人編集者がこんな本をまとめた。

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「酒肴ごよみ365日」

カワウソ 真田康文と大沼ジョージ(誠文堂新光社)

このお二人は写真家。カワウソとは、そのおふたりのアトリエ兼事務所のことらしい。料理家ではないお二人が、自宅で作ったり、もてなされたりした一品を365日分撮影したというから、すごい。

例えばこんな感じ。
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3月26日 夜食サンド オムレツサンド

カリカリにトーストした食パンにオムレツだけを挟む。パルメジャーノをいれるというだけ。

3月27日 ザクザクゴロゴロ 新玉ねぎミートボール

豚のひき肉に粗微塵の新玉ねぎをとパン粉、ドライハーブを混ぜてまるめ、フライパンで焼き、ミニトマトと溶けるチーズをのせてオーブンで焼いたもの。


そっかー、こんなに簡単でいいんだ!と勇気をもらう。365日の勇気が詰まっている。

ほかの日。
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10月20日 時代小説の味 里芋とネギの煮物

10月21日 紅葉の山で 舞茸おむすび

舞茸と醤油大さじ2を入れて炊くというとても簡単なごはん。

気張らずにできる毎日のつまみ。読み物としても面白い。



by kitchenparadise | 2017-10-11 16:15 | 本と言葉

食の棚を読みつくすvol.2 本格カレー

先月末にオープンした六本松蔦屋書店にもう4回も行った。前々回から「食の棚をすべて読みつくす」というくだらなくも壮大な目標をかかげ、先日2回目を実行。とはいっても146列あるうちの2回目なのでその道ははるかに遠いわけであり。
前回はエッセイで時間がかかったので今回はカレーにした。うまくいけば2列3列とまとめていけるのではないかと。
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しかしながらそんなことはなかった。カレーは奥が深すぎた。特にカレー番長の水野仁輔さん。20冊以上もまぁよくも書いておられますね。しかもカレールーで作るカレーから、何十種類のスパイスカレーまで。かと思えば、日本国中のカレー店の研究や素材の研究、インドだけでなく欧風カレーやタイカレーなど、間口が広すぎて、予想に反して1時間以上も水野本にはまってしまうことに。思わぬ水野デーになってしまい、スタバにもいけない。

あまりに水野本が多岐にわたっているので、今回は南インドに絞っているこの方をお持ち帰りすることした。

いちから始めるインドカレー マバニマサコ著 柴田書店

インド系イギリス人の夫との結婚がきっかけで、イギリスに渡りインド料理とスパイスの研究を始める。スパイスの魅惑とその奥深さにとりつかれたというマバニさん。

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これが、すばらしく面白い!
40種類ほどのカレーが紹介されているのだが、本格的だけれどこれなら意外にも作れそう!という「カレー創作意欲」を掻き立てる本なのだ。
そばのソファに座り熟読したあと、本を購入した後すぐに下のボンラパスで食材をスパイスを購入。
作って美味しかったら紹介しようと思って、すぐに敢行。

結果は明日のブログで!!

いやぁ、カレーって、本って、、、いいもんです。





by kitchenparadise | 2017-10-02 16:13 | 本と言葉

食の本を全て立ち読みvol.1@蔦屋書店

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工事中、レセプションと続いて、オープン2日目の六本松蔦屋書店にもう3回を足を運んでしまった。

初日の来館は予想の4倍にもなる3万人らしい。ヤフオクドームの2/3くらいだ。
福岡の人は新しもの好きだから、オープン1週間くらいは多いのが常だけど、それにしても3万はすごい。
1か月後にも飽きずに来てくれるかが福岡は難しい。リアル本屋の復活のためにもぜひとも頑張って欲しい。

社長から「いのち愛しむ人生キッチンは、初日の総合売上3位ですよ。」と言われてしまった。それはすごいな。
どうか引き続きよろしくお願いします。
お礼に、スタッフの方が忙しくて手が回っていないようなので、本の整理をして帰りました。笑)

この六本松蔦屋書店は、食のコーナーには特に力を入れている。本棚も多いし、キッチン雑貨も置いてあるし、ミニキッチンもある。品ぞろえの仕方をチェックするために一通りみてみたが、古い新しいに限らず、また家庭用プロ用にもこだわらず、エッセイや食紀行なども上手にセレクトしていて、やはり蔦屋さんはうまいなぁと思う。

30分経過したが、まだまだチェックしたい本がたくさんあり、時間が足りない。

「全部目を通したいなぁ。2時間くらいじゃ時間ないなぁ。」

そこで思いついた。

食の本棚を1年かけて全部目を通してみてはどうだ?

1列づつなら1回1時間くらいできるかも。ちょっとやってみる。今日はここ、1040の本棚の1段目。食のエッセイコーナー。
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よりによってエッセイから始めてしまい、昨晩は1時間以上かかってしまった。
もちろん全部読むわけではない。目次をみて、面白そうなところだけをざっくり内容みて、興味あるものだけをじっくり読み、気に入ったら買って帰る。
食のエッセイは好きなので既に読んでいるものも多かったが、「君がいない夜のごはん」は初めて。とても面白かった。
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歌人の穂村弘さんの2011年のエッセイ。
食に詳しい人のエッセイはよく読むが、こんなにも詳しくない人の食のエッセイなど読んだことがない。詳しくないけど十分すぎるほど成立している。食にまつわるちょっとした発見、戸惑い、嬉しかったことなど雑感が綴れている。歌人ならではの感性をお持ちだ。

あぁ、まだまだいい本がたくさんあるなぁ。

ちなみに、本棚をこうやって読むと何列あるのか、つまり何日かかるのかを数えてみたところ....

なんと、146列!!146日もかかってしまうのか?

12か月で割ると、12冊。4週で割ると....週に3日通わないと制覇しない。うむむ。

2年をめどにしておこう。時々ブログでご紹介することにしますよ。

2時間半の滞在後、チョップドサラダの本も買い、1Fのボンラパスでキヌアと野菜を買って帰宅。気分転換に本屋は最高だ。

蔦屋さんへのお願いがあります。棚の総入れ替えは2年まってください。だってわかんなくなるから。


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いよいよ明日は、キチパラ蚤の市。10:30からキチパラ前の駐車場で開催です。



by kitchenparadise | 2017-09-28 11:57 | 本と言葉

俵万智の歌を読む

昨日から始まった銅鍋フェアは、あっという間に無くなりそうな勢いです。フランス製で廃盤になる銅鍋は、いまの時点でもう5台を残すかぎりとなりました。
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さて、俵万智さんといえば「サラダ記念日」で有名。短歌集でありながら当時270万部のベストセラーでした。又吉さんの「火花」があの人気で250万部なので、短歌としていかに類をみない超スーパーヒットだったかがわかるでしょう。

当時私は短大生。姉が買ってきたのを借りて読んだのを覚えています。堅苦しい短歌ではなく、ありふれた毎日の中にある、気づき、優しさや悲しさ、喜びや苦しみ、甘さや苦さなどが、悩み多き(笑)若き私の心を捕らえました。今考えると、「そうそう、わかるわかる!」という共感が、慰めになったんでしょうね。

久しぶりに俵万智さんを特集したムック本「文藝別冊 総特集俵万智 史上最強の三十一文字」(河出書房新社)を読みました。
短歌というのは、詠む人と読む人は不思議な関係。同じ三十一文字を共通軸に、それぞれの世界に風景を引きこんでいきます。


「インスタの桜が騒ぐ幾つもの「いいね」の中に君をみつけて

我だけを想う男のつまらなさ知りつつ君にそれを望めり

さよならに向かって朝がくることの涙の味でオムレツを焼く

又吉さんが好きな歌は

疑わずトラック駆けてくる一人すでにテープのないゴールまで

同じ歌人の穂村弘さんの好きな歌

優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる

万智さんが自分らしいとおもう歌は

お互いの心を放し飼いにして暮らせばたまに寂しい自由



続きはぜひ本を手にとってから。




by kitchenparadise | 2017-09-09 13:55 | 本と言葉

この中にありがいるよと教えれば...

おととい、「俵万智:史上最強の三十一文字 」(KAWADE夢ムック 文藝別冊)という本を購入。
ジュンク堂のスタバで1/3に目を通した。短歌ってこんなにおもしろいとは思わなかった。穂村弘さんとのインタビューが絶妙だった。
俵万智さんの本は「サラダ記念日」以降は購入したことがなかったが、ぜひ買ってみよう。

俵さんの短歌は、ありきたりの毎日が、実はかけがえのない毎日だときづかせてくれる。心が和む。
時々ハッとするほどシンパシーを感じる。
日常のもやもやを言葉に変換してもらえたことが嬉しくなる。
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そんな中、こんな歌があった。

この中にありがいるよと教えれば、

子はアリの巣を「なか」と覚える

息子の成長をほほえましく感じる一方で、そこにある母としての責任をひしひしと感じずにはいられない。
私もお嬢が大人になるにつれ、もっと母として成長していかなければと、これまで何百回悩み、反省し、決心したことかと思い返した。

短歌というのは(俳句だって詩だってそうだが)、自分を見つめ直すすばらしいツールだと思う。作ってみるのかも楽しいのかもしれない。

ところで、昨日はお嬢と占いに行った。受験勉強にそろそろ嫌気がさし、「今年の運勢をみてもらいたい」などと言うので気分転換につきあうことにした。
手相の占い師さんに「あなたは自立ができる人ですね。受験は大丈夫ですよ。」そう言われ、あっさり前向きになり、勉強にむかった。よい気分転換になったらしい。

こんなことを聞かれていた。「このような大学に進みたいと考えたのはなぜですか?」と。
「母の影響だと思います。」とお嬢。 横でだまってぎょっとする私。

わが家も、「このなかにありがいるよ」と教えてきたのだろうと思う。
アリの巣=なか、ではないこと、決して親が正解でないこともわかる17歳になった。あとは自由に羽ばたいてほしい。



by kitchenparadise | 2017-08-31 11:24 | 本と言葉

エッセイ「パンツのゴム」

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「青春と読書」(集英社)たまに読む冊子。
価格は100円ほどだが、自由にお取りくださいと書いてある書店もある。小さく薄い冊子で、賞をとったり、新刊をだした作家のエッセイなどを載せることも多い、気軽な読み物だ。

「共食い」で芥川賞を受賞した作家 田中慎也さんの巻頭エッセイに目が留まった。2017年1月号だから、半年くらい前のもの。
受賞会見で「もらっといてやる」とうそぶいたことで話題をさらったので、記憶にある方もいると思う。受賞作を読んでみたらあまりに後味の悪い作品だったのに、文体がなかなかおもしろいぞと思い再読して、また具合悪くなった。それなのに、こともあろうかその後の彼の作品もつぎつぎに読んでしまった。意外と好きなのかもしれない。そんなこんなで、出張の際に時間を割いて東京の新宿紀伊国屋書店でサイン会に並んだことがあるが、人数オーバーで断られた。ほら、結構はまったのだ。

受賞する40歳近くまでニート(とはいわないのか、物書きだから)で下関に母親と住んでいたが、2年ほど前に東京に移り住み、作家業だけで暮らしているらしい。このエッセイはその作家人生の苦しさを「パンツのゴム」になぞらえて書いた、とても笑えるエッセイだった。
作家は、伸びたり縮んだりしながら生きていく。万が一ゴムがきれたら恥をさらす、という内容。

ゴムはゴムでもパンツというのはクスッと笑える。

それにしても作家はすごい。だから本は面白いんだと思った一節。がんばって書いてください、田中先生。

「どれだけ準備しても、また気力に満ちていても、いざ書くとなるとなれば、横断歩道のない道を横切る時のように、左右を恐る恐る確認しながら進む。怖がりで大胆。非常識なのに臆病。」
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by kitchenparadise | 2017-08-16 19:43 | 本と言葉

愛のかたち 岸恵子著

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愉快だ。爽快だ。ニマニマしてしまう。だんだん希望が湧いてくる。

そう思わせてくれた本が、こちら。


ベストセラー『わりなき恋』から四年 
パリを舞台にした至高の恋愛小説
 

愛のかたち 〈前編〉岸 惠子 

いやー、もう、お見事です。感服しました。
この小説はオール読物という文芸雑誌に掲載された岸恵子さんの小説。しかもまだ前編です。後編は来月9月号なので、本になってからお読みになってもいいでしょう。

お話は、どこにでもあるストーリー。ほんとよくある話。よくあるどころか、「君の名は」(古いほうね)がまだ続いてる感じですよ。

パリに住む日本人キャリアウーマンが運命的にある男性に会うという。
パリの小粋な風景がちりばめられ、おいしそうにおしゃれにワイングラスを傾ける二人。岸さんの書く主人公はいつも女性が賢く強く、懸命。
男性は、エレガントで強く優しい、立派な男性。いつも一途。

どこにでもあるお話の何がそんなに愉快なのかというと、岸さんの書く恋愛小説が、まるで30代の作家が書いたかのように、若々しく生き生きとしているのです。
いいですか、この方、岸恵子さんはいくつかご存じですか。 

御年 84歳ですよ!
なかなか書けませんよ。50歳目前の私に、高校生の小説書けったって書けません。しらじらしくなりそう。(その前に、書くに書けませんが)80を過ぎても、こんな感情になるのか、そうでなくてもこんなこと想像できるのかというのが、希望といいたいわけです。
恋愛でなくても、年齢のせいしたらいけない。ぜったい「おばちゃんですいません」とか言わない!
岸さんはこうおっしゃいます。
「やりたいことはたくさんある。やりたいことがなくなったら死んだほうがいい」

心して。大事なことなので2回いいます。 こころして。
by kitchenparadise | 2017-07-26 20:01 | 本と言葉

おはじきを上に動かすとポジティブになる?

文藝春秋SEPCIAL「脳と心の正体」という本がおもしろいですね。
MOOK本(雑誌)ですが、ベストセラーの「言ってはいけない」の橘玲氏、「サイコパス」の中野信子先生、アドラー研究の岸見先生などなど、人気者勢ぞろいで寄稿しています。

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その中で九州大学の妹尾先生が書いた「テンションが上がる心理学」というのがあります。サブタイトルが
「おはじきを上に動かすとポジティブになる!?」と、ちょっと意味が分からない感じです。

概要はつまり、
「心は身体の無意識の声を聴く」というもの。

おはじき実験というのをします。おはじきを上の方に手で運ぶ、ないしは下の方向に手で運ぶ。その行動を続けながら「昨日あったことをなんでもいいから報告してください」という記憶再生課題とやらを行うのです。

そうすると、おはじきを上に運んでいるときにはポジティブな記憶が思い出される頻度が増え、下に運んでいる時にはネガティブな記憶が思い出される頻度が増えた、と。

大げさな、まさかね、って話なのですが、ほかの似たような実験もすべて身体の動きによって心の向きが変わることが多く、読み終えると納得します。

著者は、もっと簡単なことも。

落ち込んでいて肩を落としトボトボ歩くと、この身体からくる情報がよりネガティブな心理状態を引出すし、悲しい時に無理にでも上を向いて歩くなど、身体性の入力をポジティブにすれば脳が騙されて、いつしか実際の気分もあがるという。

つまりですよ。

脳は身体の奴隷。

そういうことらしいのです。

みなさん、思い当たる節が多々あるでしょう。

もう上をむいて歩くしかないですね。日ごろの行動も、下から上に、にしてみますか。





by kitchenparadise | 2017-06-28 12:30 | 本と言葉

又吉先生の「劇場」を読んで

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「劇場」(新潮社)又吉直樹著

読みましたよー。スタバで一気に。
「3作目までは自分のことで書けば作品になる」と某雑誌の編集長が言っていたけれど、まさに又吉さんとオーバーラップする感じの主人公。本人はインタビューで恋愛小説と言っていたけれど、これは人間ドラマですね。告白も、濡れ場も、キスシーンもありません。

内容は、小さな劇団を主宰していて全く仕事がない脚本家の男性が、ある性格のいい女の子と知り合い同棲する。夢を追いかけるが口ばっかりなコンプレックス主人公と、自己犠牲が過ぎるできた女の子の物語。
まるで太宰治の小説を現代版に書き直したかの内容で、又吉先生はよほど太宰が好きやな~と感じたのは私だけではないでしょう。

昭和の歌で「神田川」ってありましたよね。「若かったあの頃~何も怖くなかった~、ただあなたの優しさが怖かった~。」
そんなBGMがかかってそうな。

かの渡辺淳一先生が、着物が似合う凛とした芯の強い女性をいつも小説の常に主人公にしたように、又吉先生もきっとこの主人公のような昭和っぽくて、自分の夢を捨ててでも誰かに尽くす、自己犠牲型で、でもちょっと弱い、そんな女性が好きなんだなぁと。

例えば、「そろそろ、光熱費くらい払ってくれないかな?」という彼女に、ヒモ生活をしている主人公は「君の家の光熱費を僕が払うのはおかしない?」とのたまう。ホントはひどいやつだと心ではわかっている。でも彼女は「それもそうだよね。」と返す。

小説としてうまいかどうかは賛否が分かれると思うけれど、書きたかったものを書いたというのが深く伝わり、私には面白かったです。世界観がだんだん確立されてきましたね。前作よりは確実に面白いです。でも、ちょっと評価甘いかも。又吉先生をコメディアンとして好きなので!

蹂躙(じゅう‐りん)という言葉が3回もでてきます。意味は「ふみにじること。暴力・強権などをもって他を侵害すること。」「弱小国の領土を―する」「人権―」。なぜ、こんなインパクトのある言葉を3回も?と思ってしまいました。なんか意味があるのですか?


そろそろ蔦屋の古本に並ぶと思います。笑)




by kitchenparadise | 2017-05-18 19:13 | 本と言葉

50歳からの聡明な生き方 桐島洋子著

50歳からの聡明な生き方~しなやかに人生を楽しむ37章~
桐島洋子著 大和書房
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先日もこの本の一節を少し紹介した。
おそらくタイトルは編集者がつけたのだろうと思う。私が読む限り、50歳以上の人向けというわけではないので、若い方にどうかしらと。

本の内容は、いつもの桐島節で、
「聡明とは、頭の中身だけではなく、こころのありようを含めたもの。」
「本物を見抜く目を磨き、人生のお守りにすべし」
「ダイエットはバランス。好きな男の前で裸で横切れるかどうかが基準」
「女性は誇りをもって母になろう」「女の弱さほと、醜い危険な武器はない」
「アンチ温暖化の生活作法」「食の安全は自分で守る」
などなどあらゆる時論が綴られていて、ちょっと異論を唱えたくなるところも含めて、楽しく読み終えた。

30年以上前に書いたベストセラー「聡明な女は料理がうまい」では、これからの女性は自立して自由になるべきだという女性解放の旗振り役にして、女性はいまこそ料理力を上げ、台所の権利を手放さないべきだというような逆行する考えを発表したことが話題だった。

単純に「働く女性は料理が手早い=聡明だ」という意見には共感しないが、家事より仕事のほうが価値があるように思える間違った日本社会の方向性を問題視したことには、考え方は違っても納得する部分も多い。

イヤイヤ料理はみじめな労働(レイバー)

わくわく料理は最高の活動(アクション)

桐島さんらしい、わかりやすいキャッチ。

確かに料理はわくわくしながらするのがいい。私も来客があると思うと、張り切るしわくわくする。
何を作ってもとなそうか、楽しませようかというのがわくわくのもの。常に相手に恵まれているとも言えるかもしれない。喜んでくれる相手しか来ないのも、わくわくを助けている。

ただ、常にわくわくではない。家族に作る時はちょっと違っていて、健康や安全のことを先に考える。添加物や農薬を避けたほうがいいとか、体に負担のない料理がいいとか、時間の無い中で手早く作らなければいけない。だからおもてなし料理でなく、シンプルで十分。プレッシャーもない。ハードルなんて低くていい。
私にとって家庭の料理は、雨が降りそうな朝、家族のカバンにそっと折り畳み傘をいれておくような気持だと思う。

料理がプレッシャーだという方もいる。
そんな方が桐島節を読むと、さらにプレッシャーになりそう。
そんな無理しなくていい。折り畳み傘を入れるくらいの気持ちで、作ったらどうでしょう。
茹でるだけ、焼くだけ、ごはんと具だくさんみそ汁だけでも十分。
昨日、紹介した木のセイロの蒸し料理なんて、手早く心を込めるにはいいと思うけれど、いかが?
昨日のセイロブログはこちらで。
道具でだいぶ楽になるはず。






by kitchenparadise | 2017-05-12 14:28 | 本と言葉


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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