カテゴリ:私、こう思う( 148 )

一生勉強するって。

3年ほど前、90歳を超えた韓国の名誉教授から「韓国と日本の食文化研究」の論文のコピーを渡された。
「文さんは台所道具の研究をなさっているなら、これを読んでもう少し深く学ばれたら。」と。

尊敬する大先生からのお心遣いに恐縮し「ありがとうございます」と深々とお礼したものの、学が無い私にとっては大学の論文は非常に難しすぎる内容だった。いまだなお理解できない。前回お会いした時には「文さん、勉強していますか?」と問われ、「あ、はい、少しは。」と自信のない返事しかできず恥ずかしかった。

ソウル在住のその教授は、94歳になられる現在も自宅で静かにご自身の勉強を続けておられ、月に1回は専門家の先生方と「食文化研究会」をいう勉強交流会をなさっている。研究会のほかの5.6人の先生も退官され70を過ぎた女性研究者の先生方だ。

若い子たちは受験があるから勉強する。次に、いい会社に入りたいから勉強する。そして社会人になっても資格試験や業務を学ぶために勉強する。会社で偉くなるためにも勉強するだろう。私も台所道具については本を読んだり、実験したりして知識を増やそうとしている。そもそも好きなことではあるが、いまは多くが仕事のためだ。


20年前、アメリカのバルチモアに住む、もと西南大学の先生で宣教師でもあった父の恩師を訪ね1週間滞在したことがある。
アメリカ人のH先生は80歳近かったと思う。早朝5時に起きて、私が起きる7時過ぎまで書斎で聖書をお読みになった。毎朝の日課らしかった。
「先生、常に勉強なのですね。」と言うと、
H先生は「何千回、何万回読んでも、まだまだわからないことばかりですから。」とニッコリとお答えになった。


うちのお嬢も次年度の受験予備軍に突入し、先輩方の合否を聞きながらそろそろ勉強し始めたようだ。でも私は「勉強してすごいね。」としか言えない。私自身が満足のいく勉強をしていないから、とても娘に勉強しなさいなんて言えない。

なぜ私が憧れる先輩方は勉強なさるのか。尊敬するばかりでなかなか自分はそうはなれない。

試験や昇格や社会への確かな関わりとか、結果ではなく、自分のためにこれからこそ勉強するということが必要であることを、そろそろ私の年齢で気が付かなくてはいけないのではないだろうか。飽和のない知識や思考の先を進んでいくと、何歳でも人は進化し、もっと多様な視点や価値観が生まれ、心を自由にしてくれるのではないか。

先日19年ぶりに表舞台にでてきた小沢健二さんがインタビューにこう答えたのが印象に残った。
「19年の間、アメリカや開発途上国に住みいろいろ勉強してきたので、いまは世の中で起こることが怖くないです。はい、いまも勉強は続けています。」



by kitchenparadise | 2017-03-09 12:14 | 私、こう思う

プレミアムフライデー

▪️おしらせ: 3月4日(土) 田中博子さんのジャム講座、午後にに空きがでました。ご希望の方はご連絡下さい。

昨日からプレミアムフライデーとやらが始まったらしい。キチパラのスタッフから「うちはプレミアムフライデー対策はするんでしょうか?」と聞かれて思い出した。

ちょうど友人がやってきたので「そちらの会社はプレミアムフライデーやってる?」と聞くと、
「あぁ、あの恵方巻みたいなやつね。」と返された。笑)

なるほど。確かに消費を促す策だといえば、恵方巻だ。だが、恵方巻は在庫がわんさか残るが、プレミアムフライデーで残るのは仕事だけ。
誰かの街頭インタビューで言うとおり、「帰っても仕事の量は変わらないし、結局どこかでしごとやんなきゃいけないからね。」ということだ。

銀座の奥様のインタビューは、ステキ(!?)な解答だった。「プレミアムフライデーでご主人が早く帰宅されたらどうしますか?」に対して、
「子供の面倒みてもらう。」「たまには食事作ってもらう。」笑)
奥様を助けるために早く帰るというのも、ステキなプレミアムフライデー。
「早く帰るから、何してほしい?」なんて聞いてくれるご主人なら、さらに理想的で100点。

かくいう私は昨日、プレミアムすぎるフライデーだった!私が25年以上大ファンであるシンガーソングライターの小沢健二さんが、19年ぶりにテレビの生放送(ミュージックステーション)に出るという、まさにプレミアム中のプレミアム。盆と正月と誕生日とクリスマスと、あれとこれとが一緒にやってきた。さらにNEWS ZEROのロングインタビューにも登場してくれた。

あまり知られていないが、小沢さんは10年ほど前から、世界の、特に発展途上国などに長期滞在しながら、その国々の様子や、外から見た日本などを、「うさぎ!」という物語(現代版イソップ物語かな)として綴っている。ミュージシャンなのか学者なのか、ちょっとした冒険家なのか、非常につかみにくい方だが、とにかくそんな活動を自由に行っている。そんな彼が突然表舞台に戻ってきたので、もうびっくりなフライデーだったわけである。

話が長くなるので、私のプレミアムはいいとして。
キチパラはいまのところプレミアムフライデーは考えておりません。自分で自由に早帰りができ、自由に家族との時間を作れるような風潮になればよろしいけどなぁ。会社から促されるのでなく。会社に貢献して、自由を勝ち取る、みたいな感じで。



by kitchenparadise | 2017-02-25 18:11 | 私、こう思う

東洋経済の「お弁当作りで消耗する必要はない」記事を読んで

今日はこの記事についてひとこと言いたい。

「お弁当作りはあなたにとって消耗?」
 

東洋経済オンラインで、フランス在住のライターさんが書いた今朝の記事。一部抜粋。 
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フランス人は手の込んだお弁当を作らない。子供の遠足の時でさえ、バゲット、パック入りのハム、チーズ、ポテトチップ、みかんなどをもってきて、子ども自らバゲットにはさんでたべる。フランス人は見栄えのいいお弁当と作ると言う発想がない。共働きをしている知人の母親に「日本のようなお弁当を作ってもらいたいと思うか」と聞くも、「作るのが大変だと思うし、そんなに手間のかかったピクニックは必要ないです」という返事。合理的で、作り手のストレスがないのがフランス流。力が抜けた。日本でもお弁当は簡略化できないか。
という記事だった。

この方はフランスにいるわけだから、郷に入れば郷に従ってもいいと思う。それを求めるならそれでいい。もっというなら、お弁当作りを消耗だと思うのなら、消耗するようなお弁当を作る必要はないと思う。買ってきたもので美味しいものはいくらでもある。家族に作るお弁当がストレスになるのなら、家族はそのストレスを食べているということ。それじゃあ食べるほうが可哀そう。

私がカリフォルニアに留学した時、ホストのママが毎日ランチバックを持たせてくれた。平均的な家庭で、毎週末コストコでドカ買い、朝はダンキンドーナツ、夜はサラダ、オーブンで焼いただけの肉、ポテトが常。ランチには、記事と同じように、パンとハムとチーズ。それにパックのオレンジジュース。たいていバナナかリンゴが入ってた。チーズやパンの美味しさにアメリカとフランスの違いはあるかもしれないけれど似たようなもの。それがアメリカなので不満はない。アメリカはパンが主食で、腸が短い。このランチスタイルが根付いている。もちろん多様化で違う人もたくさんいて、トーフを毎日食べるニューヨーカーもいるらしいけれど、私が知る田舎の家族の大半はそんなのが多い。私が訪れたイギリスでは、夜はオーブン料理だった。共働きのママ(パパ)は帰ってきてオーブンに入れるだけ。だから焼いている間は子供と遊べるというわけで、子どもを産んだ後は参考になるなと思ったのを覚えている。その土地の文化が時代で変化をとげているが、基本はあまり変わっていないのだと思う。

さて、私も毎日お弁当を作っている。最近はスタッフと自分にもおおめに作っている。毎日朝食づくりと合わせて20分ほどしか時間はかけず、ストレス、消耗はほぼない。ちょっときついなという時や寝坊した時などは、おにぎりだけ持たせるだけの時もあるし、学校のカフェで食べてねという時もある。できない自分はあっさり許す。

私はなぜお弁当を「消耗」だと思わないか。それは、「お弁当にバランスが良く、安全な昼食と食べさせたい」から。それが1時間もかかるなら毎日はやれてない。私は道具屋なので短時間で美味しくできる道具がわかるし、おにぎりと玉子焼き、茹でた野菜に塩をかけるだけでも十分だと思う。私の母のように忙しい中、ぱぱっと作ってくれたように、同じようにやっている。

記事であるように、まわりがどんな手の込んだお弁当を作ろうが、見栄えが悪かろうが、帰宅した子供が洗わなかろうが、たまに簡素化しようがしまいが、そんなの基本的には気にしない。作ってあげたいという自分の気持ちが大切だと思っている。だからフランスがどうであれ、日本がどうであれ、気にする必要なんて全くないのだ。この子に、何を食べさせたいか、何がいいのかだけを考えれば、それがおにぎりにたくわんだけだろうが、さしみを入れたパンであろうが、かまわない。

フランス人と日本人が違うとすれば、人は人、自分は自分と思っているところかもしれない。力をぬくのは、パンチーズで納得するのではなく、頑張りすぎないということだけ。ストレスに感じないようなちょっとした料理の知識なんて、今の時代すぐに手に入る。消耗、なんていう言い方は、子どもたちに残してほしくない。

ここまで書いたらスタッフから注意されてしまたt。世の中には料理苦手の人もいますしねーと。
いやぁ、そうでしょうそうでしょう。だから、おにぎりだけでもいい、気負わないでいいと、これからのママたちには伝えたい。

この記事を書いた記者が「力が抜けた」というのは、第一歩。力を抜いたうえで楽しく工夫できたらいい。
手間はかけなくても思いをこめることは誰でもできる。

フランスのマネでなく、日本ならではのお弁当とそこにこめる純粋な思いが、祖母から母へ、母からわたしへ、わたしから娘へ、娘からその先へ続いていくと信じている。

by kitchenparadise | 2017-02-21 15:19 | 私、こう思う

「なぜ私だけが?」家事の不公平感のについての雑感

2017/2/7(火)のY!ニュースのタイトルは「なぜ私だけ?いまだに続く共稼ぎ夫婦の不公平感」でした。雑誌AERAの記事だそう。

内容は、共働きなのに妻だけが家事をするという圧倒的な不公平感に納得できない女性がとても多いという話。技術の発達で家事は重労働ではなくなったはずなのに、やらなければ咎められ、分担争いは家族を暗黒のストレス状態へ突き落す。この苦しさの正体は何なのかと投げかけ、何人かの女性の叫びを記事にしています。
「家事から解放されたいと思う人を、世間は怠け者と責めずにもっと理解すべきです」とある女性は言い、またある女性は「手間暇かけることが真心とされていて料理を買うなんて許されない。まして料理嫌いなんて言えない。うまくバリアを張って生きていくしかないんです。」とも。
別のサイトには、「私ばかりが家事をしていることに腹が立ち、中学生の子供と夫に家事ストライキ宣言をした」ともありました。

記事には、夫から「それなら俺と同じくらい働いてこい」「あの奥さんは仕事も家事もできているのに」と言われた妻もいて、頑張ってる女性たちに同情します。そんなこと面と向かっていう男性には残念で仕方ないです。

夫婦の分担の問題点は、早めに、しかも素直に話し合って折り合いをつけるのが一番なのでしょう。関係性が悪化してからは難しそうです。でも、妻としては「言わなくても気が付いてよ」というのが本音です。
夫って自ら気が付く生き物ではないんですよね。それ以前に、思いやりが全くない場合は論外ですが。

私が家事に、特に料理について楽になったのは、2つのことを学んだからでした。

ひとつは、「がんばらない」ということ。

がんばらないのは何もしないわけではありません。逆です。
「本質を見極めて少しだけ頑張る」ということ。また、「私がしなければという義務感より、思いを大切にする」ということ。
恩師である料理家桧山タミ先生に、「多忙で日々大した料理ができないし、手作りお菓子も作る時間がない」と相談した時、「それなら毎日おにぎりでいいじゃない。」と言われたのです。この言葉が私を楽にさせてくれました。

娘に食べさせたいというのは、「娘の健康のため」、「お腹をすかさせたくないから」です。それならお菓子よりおにぎりがいい。手作りならイモをふかすだけでもいい。つまり義務ではなく、思いだけを具現化する最短の道を選択すればいいと思ったのです。おにぎりは保存食なので朝から1.2分もあれば作っておけるし、お腹にもたまります。いろいろしてあげなきゃいけないと考えるのではなく、家族の健康だけを考えればいいという師匠のアドバイスでした。以前ブログでも書きましたが、出勤前に娘のおやつのおにぎりを握っておいておきました。

もうひとつは、いらいらの原因をほかの問題と混ぜないということ。

夫が家事をしないからもう料理をしたくないというのがそれ。夫に手伝いを求めていることと、家族にきちんと食べさせたいということは別。夫婦がうまくいかないので、子供に当たってしまったという話も聞きますが、それも問題点が混ざっています。

心理学者のアドラーには「課題の分離」という定義があり、それぞれの問題はそれぞれの個人が片づける問題であるといいます。他人の問題を家族といえど私が片づけることはできないという定義です。ですが、もう一歩進むと、自分の中にも自分の課題がいくつかあり、問題点を混ぜないようにしないといけないのではないかと。

また、のちにもう一点のことにも気が付きました。

「がんばらない」ことと「問題点を分けて考える」ことには、「この2つを実践するの知識」が必要であるということ。

どうすれば義務から解放され楽になるのか、また個々の問題点を分けるにはどうすればいいのか、を解決する知識です。

たとえば、道具や料理の知識を深めると簡単にできる料理のコツがわかるようになり、知れば知るほど、頑張らなくても思いを達成できるようになります。
様々な参考になる本を読んだり、心ある友人に相談したりすると、不満の正体や自分の性格が分析できるようになります。

以前、友人から「子供がお弁当箱を出さず頭にくるので、お弁当を作らないことにした」と聞きました。料理が好きな友人です。彼女としては子供さんへの躾を優先したのでしょう。理解できます。それでうまくいくならそれでいいと思います。でも、感謝しなさいと言っても子供は感謝はしません。笑)
私も以前はそう思っていましたが、問題を分けて考えると疑問がわきました。お弁当箱を洗わせる躾と、子供に安全なお弁当を持たせたいいう母として思いは、問題が別ではないのかと。そうでないと、言うことを聞かない子供には、母は「お弁当」を通しての愛情を伝えられなくなってしまいませんか。

うちのお嬢もお弁当箱を洗わない時期が長く、学校にもいつも忘れ、私はお弁当箱を3つも買い足さねばなりませんでした。汚いお弁当箱はベットの下にいくつも溜まり、とうとう3つともベッドの下に洗わないまま置きっぱなし。何回も注意をして3つともをお嬢の目の前で洗いましたが、翌日も普通にお弁当を持たせました。
それでも翌週はまた懲りずにベットの下に。今度は「洗う時にママはくさいのイヤなので、今度からは自分で洗ってくれない?」と促しました。1週間前のお弁当箱はだいぶ臭ったようで、イヤそうに洗っていました。仕方ないですね。自分が洗わなかったんですから。そのうち、臭いのが嫌になったのか、親から注意されるが面倒なのか、夜中に起きてでも自分で洗うようになりました。時間がかかりましたが今では必ず洗います。まげわっぱなのでちゃんと外に干しているようです。

長くなりました。
気持ちが解決して以来、家族が大切だという気持ち、家族の健康や安全を願う気持ちは、私の中にある他のどんな問題にも圧迫されません。家事の不公平についても和らぎました。私から湧き出る愛情は愛情で大切にしておきたいと考えています。

夫婦も親子も、それぞれ課題が違います。お互い認め合うことが大切ですね。怒らずに自分の気持ちを素直に言えたらいいですね。

by kitchenparadise | 2017-02-10 07:30 | 私、こう思う

こんな本は売れてはダメでしょ

TSUTAYAの平積みの本は世相を表していて興味深い。「なぜ○○にこだわるのか。」「悩まない練習」「伝え方が9割」「大人の発達障害」、女性のコーナーには、「モテルメール術」「お金の神様にかわいがられる方法」「引き寄せの法則」「1%も尽くさずに愛されるススメ」などなど、タイトルだけで面白いというか笑えるというか。いまみんなが手に入れたいものっていうのはそんなことなんだなと思う。
そんな中、「女は子宮の声を聞く」といったタイトルの本が数冊あった。

「女性は子宮で考える」という言葉があるけれど。あれは「しょせん女は理論的でなく感情的な生き物だ」という男性からみた女性軽視に聞こえる。
この本は、そこを全く逆手にとった本であり、男性でなく若い風俗嬢経験のある女性が書いた本だった。
そして彼女、最近なかなか人気者らしい。
私は基本的には職業には貴賎なしと思っている。お金を稼ぐために、あるいは社会のために、または自分のために、どんな角度から社会と関わるかは、まわりに迷惑をかけず本人が責任をとれるならよいと思う。政治家だろうと、雑貨屋勤めだろうと、良き人か悪しき人かは、神様が判断なさる。

でもこの本は納得いかない。本物っぽさを1mmも感じない。例えばこんなことが書いてある。(内容はうる覚えなので申し訳ないですが)

ついかっとして頭にきて相手に暴言を吐いても、反省することはないし、謝ることもない。それは自分の子宮のSOSである。子宮の声に聞き、そこに至ってしまった自分の子宮を甘やかせてあげること、云々。
ほかにも子宮や女性性に関する、読むに堪えない内容が多い。子宮を甘やかす。ありのままに自由に、わがままにいきると何度も綴っている。

「自分を大切にしよう」「自分を許そう」そういう発想がこの頃とても多いのはわかる。自分を大切にしないと、相手も本当の意味で大切にできないし、自分を許してこそ、相手も許せるとは思う。とはいえ、暴言を吐かれた相手の気持ちを無視して、自分の子宮第一で片づけるなんて、日本のご先祖様が聞いたら泣く。

元来日本は(って古めかしいけど)、相手を慮る(おもんばかる)ことができる人たちばかりだった。
どういうことをすれば相手が嫌な思いをするか。相手の心が傷つくか。相手の気持ちをはかることができる豊かな想像力があった。
日本人は周りを気にしすぎるということからこういう発想が生まれたのだろうと思うが、それはちょっと方向性が違っていると思う。ありのままや自由をはき違えている。

かの藤木相元先生(人相学の権威)はおっしゃった。
「悩み事は深刻に悩まず、真剣に考えよ。」

暴言に当てはめるならば、出てしまった言葉を深刻に悩む必要はない。言ってしまったことは真摯に受け止めて詫び、真剣に心で考えて次の自分を探せばよい、そういうことだろうと思う。自己中心と、自分を大切にすることは全く違う。相手と自分を天秤にかけて、自分の心をまず楽にさせようと謳う本を女の子たちが次々に手にとり、「そうだ、そうだ!」と喜ぶとすれば、日本の将来は危なっかしい。

すべての本が正しいわけではない。もちろん私の考えも正しいわけではない。
これからは自分で学び、自分で判断する目をもたないと、こんなキャッチーなタイトルや身勝手な内容に振り回されるようでは、あっというまにみんなの心が乗っ取られる。

言論の自由だからね。本も、私も。でもちょっと言い過ぎたので、このページは後で消そう。



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by kitchenparadise | 2017-02-04 15:35 | 私、こう思う

子供は言うことは聞かないがマネはする

「子供は言うことは聞かないがマネはする」

この言葉、なにかの本でよみました。

昨日、料理研究家の三溝先生にお会いしたとき「お嬢は反抗期あった?」って聞かれて、うーんと考えてしまいまして。
反抗期?あったかな?あったような、たいしてなかったような。

中学生頃から、質問しても返事をしないとか、ぶすっとしている時期はありました。
部屋を片付けてとかお皿を洗ってとかいうと、返事をしないとか。成績表をみせないで勝手に提出するとか。それくらい。
これも反抗期と呼ぶならそうなんでしょう。
全く親にベトベトしない子で、かなり自立型。正しいかどうかは別にして、自分の意見をよく言い、「ママはママよね。」とあっさり切り返してきます。そうそう親の言うことをきく子ではありません。どちらかというと私の言う逆をいく感じ。

ですが、よく見ていると私そっくりの行動をします。
友達を家に呼ぶ。お金を貯めれない。でもふとっぱら。部屋の片づけはおおざっぱ。味にうるさく、調味料にもうるさい。
お風呂で本を読む。悲しい時には泣かず、嬉しいときだけ泣く。執着がない。おしゃれが苦手。
ちょっとした怒り方も似て、好きな芸能人のタイプまで似ている。

DNAもあるのでしょうか。たぶん知らず知らずのうちにマネしてるんでしょうね。コワイなぁ。
がんばってもしかたないですね。家族にまでかっこつけられないから。



by kitchenparadise | 2017-01-31 18:31 | 私、こう思う

神様の役に立ったと思いたい

俳優の松方弘樹さんが亡くなった。本人は、病に勝ってまた仕事に戻るつもりだったらしい。
40代で他界したわたしの姉も松方さんと同じことを言った。松方さんのニュースを見ながら当時の姉との会話が鮮明に浮かんできて、しみじみとした気持ちになった。

以前「働くとはどういうことか」という亡き姉に関するblogを綴ったことがあり、修正を加えてまた書くことにしました。

料理家桧山タミ先生(91)が、高齢でなお、料理の仕事を続ける理由を「神様の役に立ったと思いたい」と表現されたことがある。深いなぁ。

aya's Diary「働くとはどういうことか」blogから。(2014/8/21)
*写真は姪(中2)と娘(お嬢高2)。
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**************************************************************

亡くなった姉が、5年間の入院生活で、一度だけ私の手を強く握って言った言葉がある。
「つくづく思うんだけど、私は仕事が好き。また仕事がしたい。よくなったらすぐ仕事に戻る。設計の仕事は天職だと思う。」

姉は工学部を出て大手建築会社設計部で修業して一級建築士になり、小さな設計会社を経て29歳で独立した。設計士は小さいころからの夢ではなく、近くに住んでいた従兄弟が設計士をしていたから。実際、学生時代の姉はパースが得意ではなく、課題は絵が好きな私が代わりに描いていた。姉の設計は一風変わっていて、磁場を計り、風の流れを良くし、体に良い自然素材だけの家を作るのがコンセプト。森林に住むような気持ちのよい空間を作りたいと常々言っていた。

20代で重い椎間板ヘルニアを患った経験から、身体や自然といったものに重きをおく設計スタイルになったのだと思う。頑としてそんな特殊な設計しかしないものだから、かえってぜひ姉に依頼したいという方も多く、姉の退院を待つ依頼者さんが何人もおられた。姉の集中力は高く、義兄いわく、姉は仕事を始めると、お湯が沸いているおとさえも聞こえなかったという。

姉も人並みに仕事と育児の両立は大変だったと思う。最後の設計になった菓子店の現場には、0歳の息子をおんぶしてでかけていた。仕事の悩みは常につきなかった。なのに病をおしてもすぐに仕事がしたいなんて言うものだから、私はまずは体が先決でしょ。忙しすぎたから、しばらくはゆっくりしたほうがいいのよ、となだめた。


ほとんどの仕事は、人のいうことを聞かなきゃいけない。人間関係も複雑なことが多い。きつくても休むこともできない。給料が良すぎることなんてめったにない。家に帰れば倒れこむほどぐったり。なのに、やっぱり私も仕事がしたいと思うのはなぜなのか。

好きなことを仕事にしているから?最初から好きな人もいると思うが、それはちょっと違う。仕事を好きになっていく、というほうが正しい。
給料が良いから?すばり言うと私のは全く良くない。
経営者だから?それはあるかもしれないけれど、経営すれば、お金や未来への不安も一気に増える。

折に触れ姉の言葉を思い出しながら考える。

姉は、仕事が自分を生きぬくことそのものだと思っていたのではないか。

能力の限界にぶつかることを飽きるほど学び、逃げずに挑戦すれば、次はうまくいくことの面白さを知る。
人と交わることにより、思いやりと不条理をいっぺんに学び、心が通じていれば、その多くを実現できることを知る。
進めば進むほど自分が成長し、相手が喜び、成果がでることが多くなる。仕事は貴いということがわかる。
仕事が自分を作ることがわかる。
だから、好きな仕事をするのでなく、自分から仕事を好きになっていく。

姉は、仕事に戻って、生きていることをまた実感したいと思っていたのではないだろうか。


お盆はたくさんの仕事仲間の方にお参りいただいた。姉の熱心な仕事ぶりを改めて耳にすることになった。私がそれを聞いて感じたように、横で聞いていた姉の長女(当時小6)は頷きこそしなかったけど、何かを感じていたのではないかなと思う。仕事は何もお金を稼ぐ仕事のことだけでなく、社会のためにすること、家族や友人のために何かすることでも仕事。神様に与えられた役割だと思う。
とことん挑戦した人にしかわからないことを、いつか私もわかりたいと思っている。

by kitchenparadise | 2017-01-24 17:20 | 私、こう思う

餅つきは汚いから禁止!?

今朝のyahooニュースで「第三者に餅をふるまう餅つきイベントを禁じる地域がでてきた」と伝えていた。
餅をちぎったり丸めたりして人の手に触れる工程が多いため菌やウイルスが付きやすく、集団食中毒発生する恐れがあるということらしく、一部の自治体が判断したという。
なんたること!!そんなぁ...泣)

お嬢も子供会が開催する近所の公園での餅つき大会を毎年楽しみにしていた。
昔は実家で年末に必ずやっていた餅つきは義母が高齢になり止めてしまい、町や子供会主催の餅つきは、餅をついたり丸めたりできる残された体験イベント。普段はゴロゴロしている父親たちもここぞとばかりにかっこよく餅をついて子供たちを指導し、あつあつの餅を簡単にちぎっては丸めていく慣れたお母さんたちをまねて、女の子たちも上手に丸められるようになっていった。

そういえば、西部ガスさんのガス展のおにぎりカフェのイベントをした時も、おにぎりを手で握らずビニール手袋をつけてした。塩を手につけて体温で溶かしながら丸めるのがおにぎり本来の姿だが、食中毒うんぬんを考慮して、先に塩をまぶしたり梅酢をつかったりとなんとか工夫してにぎることになった。

世の中には、おにぎりは菌が繁殖するからラップでしか握らないというお母さんもいるらしい。
そんな慎重な方は、餅つきもおにぎりイベントも参加しないだろうと思う。参加しない理由はわかる。
じゃあ、参加する理由はなんなのか。そんなイベントを開催する大切な理由はなんなのか。
人と人とのつながりや、温かさや、季節感や、美味しさの共有や、まだまだいろいろあるんじゃないか。見えない理由がいっぱい。

お役人の方。餅つきは禁止でなく注意喚起くらいでよいのではないですか。衛生責任者などを役割をつくるとか。
なにもかも、危ないからダメ、汚いからダメという発想は、人間の心まで抗菌にしてしまうんじゃないですか。
by kitchenparadise | 2016-11-30 12:01 | 私、こう思う

無駄話ができる男性

先日ある番組で「家で無駄話ができる男性はめずらしい」と言っていた。
奥さんは、今日のできごとからテレビや雑誌でみたこと、お友達やご近所さんの話など、いくらでも話すけれど、ご主人は全く話さない。話す内容がないからなのだと。かといって外でも無口かといういうとそうでもない。仕事に関すること、政治経済のことになどになると、家の外ではいくらでも話すけれど、奥様との共通の話には乗ってこない、あるいは会話にならない。そうテレビが伝えていた。おそらく、結構年配の方のことだろうと思いきや、若い人でもそんな男性が多いと言う。

男性だけにかぎった話ではないけれど、無駄話のネタをもっておくって、コミュニケーションでは結構大事なんだと思う。仕事とか、トランプ大統領が云々とか、TPPや日経平均株価でなくて、ラフなネタ。しかも、楽しいネタ。自慢話、年金や健康の話や、お墓の話や、苦労話でなく、もっと楽しいネタ。

20年来の男友達と銀座のあるカフェで待ち合わせをした時のこと。着いたとたんこう聞かれた。
「地下鉄を出てからここまでどの道を通ってきた?」
銀座三越の先から数回ジグザグ曲がってから来たと答えると、
「ここなら大通りで一度曲がればたどり着くのに、人って早め曲がりたくなる生き物らしいよ。まっすぐは飽きるから早めに曲がったという結果を求めるんだって。」と言う。
「ほ~。」
完全な無駄話だ。どうでもいい話だけれど、意外におもしろいと思った。
その日は人の行動心理について盛り上がった。

お付き合い先の男性にも無駄話がうまい人がいる。
「最近、女性の香水について無駄に研究しているんです。香水って人を表すと思いませんか。」
「ほ~、例えば?」
そうやって仕事とは全く違う話が始まる。

また仕事のことをからませて、「ひとつだけ無人島に持っていくならどの道具ですか。」
なんて聞いてくる人もいて、この人なかなかなコミュニケーション力だと思った。

10年ほど前、「喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな! 」(集英社) という齋藤 孝先生と倉田 真由美 さんが書いた本を面白半分で読んだことがある。ヒジョーに笑ったけれど、それも無駄話やその聞き方などが書いてあった。
もはや、無駄は無駄ではない。

世の男性には、奥様にたいして大いに無駄話を試していただきたいと思う。ぜひぜひ。

by kitchenparadise | 2016-11-26 17:24 | 私、こう思う

料理の時間を短くしたいひとは

「料理の時間を短くしたいひと~手をあげて~?」

「はーい!」


一番に手をあげます。

だからといって
「時短して、ちょっとおいしくなくてもいいひと~?」「買ってきたお惣菜だけでいいひと~?」
「いつも炒め物だけでいいひと?」「インスタントばかりでいいひと?」
そう聞かれると、どれも手をあげられません。

いつも作りたてでなく、油がさんかした揚げ物でなく、私の味付けでもなく、無添加でもなく、何がはいってるか確認できないものを、家族に毎日食べさせるわけにはいきませんし、私も食べたくはありません。でも、忙しくて時間がないのが現実。30分くらいで夕食を作らないといけません。たまに30分もない時もあります。

そこで私がよくやるのは鍋料理です。お気に入り鍋で作る栄養たっぷり鍋料理なら、時間短縮しても豊かな夕食があっという間にできあがります。

美味しくて、栄養たっぷりで、作り立て。なにより自由に味を変えられ、すぐにできる。最後には残りごはんをいれておじやに。完璧です。

さて、今日は牛肉クッパですよー。
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牛肉はお弁当のあまりがちょっとだけ。調味料をちゃちゃっと合えておきます。
その間、もやし、大根、しめじ、長ネギ、にんじん、ピーマン、えのき茸、玉ねぎ、ニラ、厚揚げを切っておきます。冷蔵庫にはいってたものばかり。何種類いれたかな?

1.2.3...10種類。
それに、卵も最後にいれました。にんにくと生姜も最初に。14種類の素材を食べることになります。いいでしょう。

牛肉を、私の最近の相棒、この茶色の「香味鍋」で炒めて、そのまま野菜を順々にいれて出汁をそそぎ、あとはお酒や醤油、ちょっとオリゴ糖をいれただけ。あとは何もすることなし。
蓋をしたら、洗濯物でもたたみます。

15分もすればできあがり。

香味鍋は、蓄熱性抜群。火からおろしても(簡易コンロなし)、5分から10分はテーブルで勝手にグツグツ沸騰してるし、そのあとも30分以上はあつあつ。良い鍋のマジックなのです。すごくごちそうに見えます。豊かな食卓です。

その前は、トマトとレタスのエスニック鍋、鶏ミンチと骨付き鶏の鍋、カレースープもレパートリー。

時短は時短でも、おいしいものじゃないといや。自分で作りたい。家族に安全で、温かいものを。
すべての願いもかなえられます。


by kitchenparadise | 2016-10-20 17:23 | 私、こう思う


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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