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「あ、それ、置いてないです。」

「こんな感じの商品ありますか?」と、探しに来られるお客様がキチパラにはとても多いのです。
時間に余裕がある場合、カタログから取り寄せる場合も多いのですが、たいていはお急ぎの場合が多く、お断りするしかありません。

「お力になれなくて申し訳ありません。」あるいは、
「ご希望に添えなくてすいません。」
と、お詫びすると、
「いやいや、いいんです。お手数おかけしましたー。」といってお客様はお帰りになります。

先日、ある商品を百貨店に探しに行った時のこと。
「こんな感じの商品、ありますか?」身振り手振りで話すと、その店員さん、
「あ、それはーおいてないんですよねー。」と、あっさり。

そうすると、こちらも「あ、そうですか。」としか言葉が出ない。

言葉ってとても大切。言葉に気持ちをのせる、いや、気持ちがあれば自然と言葉がでるんじゃないかなと思うのです。私は、わざわざ来てくださった方に、「あ、無いです。」とさっぱりは言えないな。

「できません」と言うのではなくて、「ありません」というのではなくて。ようは気持ちはどうよってこと。
by kitchenparadise | 2010-02-26 19:12 | 私、こう思う

ミステリー作家、の編集長?

娘の学校で「1/2成人式」なるものがありました。
10歳の小学4年生が、将来の夢の作文を読んだり歌を歌ったりする儀式です。全国的なのでしょうか。
推理小説がとても好きなので、以前からミステリー作家になりたいと言っいたのですが、作文発表を聞いたら違ってました。夢が「編集長」に変わっていたのです。

「私はミステリー作家になりたいと思っていました。
でも、締め切りに間に合わない夢を何度も見て、いやになり、私には無理だと思いなおしました。
そこで、作家に近い職業で、いつも一番先に本が読めるミステリー作家の編集長がいいと思い立ちました。
それでも時々まだ書いてはいるのです。お母さんは、書くからと言って小説家にならなきゃいけないわけじゃないので、面白いのなら趣味で一生書けばいいのよ、と言います。それもそうだなと思いました。」

ガクッ・・・。そうくるのか・・・。
なんだか、現実的な母親と思われたかもしれないけど、作品が仕上がらない娘を慰めるつもりで言ったんですけどね。
by kitchenparadise | 2010-02-25 15:05 | 私の日常と家族

アルミニウムという金属

昨日、東京にあるキッチンツールの専門メーカー、K社さんの商品開発の方が初ご来店。料理の先生を介してお名刺だけいただいてたので、お会いしたいと思っていたのでした。この会社は新製品がとても多く、最近料理研究家とのコラボ商品を驚くほどたくさん売りだしているのです。
「K社の商品をあまりお店に置いておられないのは何か理由がおありでしょうか?」とのご質問。

うーん・・・。料理研究家とタイアップした道具は価格が高くなる場合が多く、よほど「使える」道具でないとコストパフォーマンスが悪いということ、K社は商品が多すぎて、すべてを試せないということをお答えしておいた。

K社のSさんは、自信ある商品をいくつかと、開発中の鍋を送るのでご意見を聞かせてほしいとのこと。

鍋は、IHにより適した熱効率の良いものを開発中らしく、とても興味深い。

そこで今日は「キッチンオタク道」に場所を変えて、鍋に使われるアルミの話をちょっと詳しく話しましょう。
ほぼ科学の話なので、小学生の時、理科が嫌いだった方、道具に興味のない方には眠いお話です。
by kitchenparadise | 2010-02-24 14:11 | 道具:キッチン道具全般

会社と愛とリストラと。

みなさんにとって会社はどんな存在ですか?

先日、英国だったか、相当額の宝くじが当たった夫婦のことが、テレビで紹介されていました。「仕事を辞めて家族と南の島にでも住む。」そうです。フーン。その方にとって、会社は勤労してお金をもらう存在だったのでしょうか。
最近は、若い人たちがすぐに仕事を辞めます。向いていないから、想像と違った、労働条件が悪い、入りたい部署ではなかった、とまぁ理由はいろいろです。

私が尊敬する飯田史彦先生は著書でこう書いています。

「会社が人生にとってどんな存在かを考えるとき、恋と愛の違いに似ている。

恋とは、相手がもつ所有物や属性に価値を感じて、一時的に高揚するもの。相手に受容されることや相手を支配することで相手と一体化したいと願うこと。
愛とは、自分という存在価値の認識と成長意欲から生まれるものであり、相手がただ存在してくれることへの感謝ゆえ、決断し、永続的な意思と洗練された能力において実行しようとする相手の幸福を願い支援する行為。

会社を恋する人は、会社が魅力的な資産を失ったり、業績が悪化したり、十分な見返りをくれなくなったら、もっと魅力ある会社にすぐに移ってしまう。
会社を愛する人は、「今は苦しいけど、この会社とがんばって、ともに成長し、幸せになるぞ。」という気持ちですぐにやめようとは思わない。

会社に対して損得勘定を超えたところで付き合える。ここで自分が成長できることを幸せに思う、そんな気持ちが基盤にあるかどうかで、仕事対するやりがいも、幸せの考え方も変わってくるでしょう。」

もちろんこのような理想は、トップが社員をどう考えているかでも違ってくるでしょう。業績悪化してるのに、トップはいままでどおりの給与をもらっていて、リストラと経費節減ばかりを推進する。あるいは正社員を極力少なくしようとしたり、いかにも会社の株の価値ばかりを気にする。そういった経営陣の下では、なかなかそんな「愛」は育ちにくいかもしれません。

ですが、上司がどうの、仕事量がどうの、という、どこにでもある会社への問題は、すり合わせて解決するための自身の成長に関する重要な壁でもあるのです。

「思い通りにいかないことにどう対処するか。」
この問題に「愛」を持ってむきあうことが、その人の生き方、幸福感にかかわってくると思うのです。

なんか週明けから、やや重たい問題。そう考えると・・・、会社だけでなく、夫婦も、そうですね。
by kitchenparadise | 2010-02-22 16:45 | 私、こう思う

プロのまな板について

「まな板は木と樹脂とどちらがよいですか?」
以前は「プロは昔から木を使っていますが、その理由は・・・。」なんて話してたのですが、今はそうは言えません。
昨日、某老舗料理屋の料理長とその話をしたところ、彼がこんなことを言ってました。
「食品衛生の役人さんからいろいろと指導が入るんですよ。で、今はまな板、樹脂にしてますよ。毎回熱湯消毒して漂白剤にしっかり浸しています。」

木製は使わないように指導があっているのです。嘆かわしい。
「汁などを木に浸して放置しておくと、表面を洗っても内部に細菌が見受けられる。」という。人類は昔から木を使ってきたのです。お役人が規制しすぎると、何千年も当たり前に引き継がれてきた、「道具を上手に使う感覚」が削がれるんじゃないでしょうか。調理学校でも今はほとんど樹脂製です。「危ない危ない」が、日本の伝統を軸から危なくしているのではないでしょうか。

木のまな板の良さと使い方を正しく知れば、怖いことは全くないんです。
といっても・・・指導が入るんなら仕方ないか。プロに何も聞けないじゃない。
使い方、心配な方は、詳しくお店でも紹介します。


by kitchenparadise | 2010-02-18 08:32 | 道具:まな板と包丁

曲げられない女

今日、新規のキッチンツールメーカーさんが、岐阜県からおみえになりました。
何千もの商品を取り扱うK社という有名な会社で、一度お話を聞いてみたいとおもっていたところ、ちょうどキチパラのことをどこかで聞いて足を運んで下さったようです。

「いくつかサンプル送りますので使ってみてください。」と、とてもご丁寧な営業の方。
にもかかわらず、私はいつものように持論をぶつけるのであります。

「せっかく送ってくださるなら、売れるものでなくて10年は耐久性のある商品にしてください。」
「使ってみてダメなら扱いませんので、全く扱わないこともあります。」
「100個あっても1個しか取り扱いしないものもありますが、あくまでこのお店の主観なので。」
「流行りモノは要りません。あの、(〇ッキー)みたいな商品は嫌いです。」
「パッケージがあまりにもヘンなのは要りません。」


「分かりました。とりあえずピックアップして送ります。」
にっこり帰られた営業マンの方、きっと私の勢いにどん引きだったことでしょう。

水曜夜に「曲げられない女」っていうドラマやってますが、まさに私はあれだ。
ヤだなぁ・・・。マジで、曲げられない。だって本当に要らないものは要らないんだもの・・・。
ホント、ごめんなさい。3回私に会えば分かりますから。悪気なんてこれっぽっちも無いって。ただただ、その場しのぎの売れ筋商品は、もう要らないって思ってるだけなのです。

by kitchenparadise | 2010-02-17 23:43 | 私の日常と家族

ガス用とIH用のフライパンは違うのです

私が最も気に入っていたガス用のフッソ加工フライパン「サーキュロン2」のメーカーが日本での販売中止を決めたようです。もう、ガクン、って感じです。熱効率がよいフライパンで、カタチもとても気に入ってたし、使い方さえ間違えなければ、耐久性にも優れたフライパンなのに。
中止の理由は、「ガス用だけ」というの需要が減り始め、IH用に移行し始めたので、IHとガス両用を売るということ。このメーカーには、「インフィニット」というIHフライパンがあるので、それを売るんでしょう。

なんということ・・・。何度も言ってますが、ガス用とIH用はまったくといっていいほど、使い勝手も耐久性も違うのです。ガスなのにIH用フライパンを使うのは、もったいないんです。

by kitchenparadise | 2010-02-15 17:01 | 道具:フライパンや鍋

海外の農地土地を買う日本

珍しく病気になり、寝込んでました。土曜になり少し回復。母は寝込んでいるというのに、となりの部屋では娘が友達らを呼び大騒ぎ。チョコレート作りまで始めるので、もう怒る気にもなれません。

今、日本はあることで大きく出遅れているらしい。それは海外の農地購入において。
自給率が40%以下という日本では、来るべき食糧危機に備えて、海外の農地を購入しておかなければいけないらしく、その点で先進国のどこより遅れていますよということ。そう、今はまさにランドラッシュらしいのです。

不思議だ・・・。不思議じゃないですか?
スーパーではこんなに野菜が余ってます。
バイキングではいつもの2倍くらい食べてますよ。それでも余ってる。
日本の生ゴミは増えるばかり。すごい量です。
人に言えたことじゃないなく、我が家もよく野菜を腐らせます。
日本は枯れた農地がいっぱい。

なぜなんだーっ?って言いたくなりませんか。
消費の拡大が世の中を作っているから、私たちが豊かなのだと考える人がいる。私の店も、消費があってこそ成り立つお店なのは確かです。が、商品の流れを見て思うのは、新たな需要を作り出すことが、地球にとってあまりにも非効率的なのではないかと最近思うのです。

景気減退を防ぐために、土地を買って作らせて輸入するという国のやり方を見直し、新しい消費形態を構築させたほうがいいのではないかと。今は価値観より商業が優先されています。これは、一企業ではできるわけがありません。やはり政府主導でないとダメだろうなぁ。

さてと、難しいこと抜きにして、今から出勤します。そうは言っても少しは売らなきゃ!
by kitchenparadise | 2010-02-13 13:42 | 私、こう思う

世界を変えるのに魔法はいらない

以前、ハリーポッターの著者J.K.ローリングが、ハーバード大学の卒業式で講演した全文を読みました。彼女は貧しい幼少時代をすごし、離婚してシングルマザーになり、仕事もない状態から、このような世界で知られる小説家になったのです。興味深い女性でした。

彼女は卒業してからの21年間に、2つの大きな教訓を得たということ。
ひとつは「失敗の効用」、もうひとつは「想像力を持つ重要性」。

失敗についてはこう語っています。
「私は失敗したことによって、試験に受かることでは決して得られなかった内なる安心感を手に入れることができました。失敗のおかげで私は、自分について、他のいかなる方法でも学べなかったであろうさまざまなことを学びました。私は、強い意志があり、自分が考えていた以上の自制心があることに気が付きました。(中略)

人生とは何を手に入れたかや何を達成したかでないと知って、初めて幸せになれるのだ、と。」

想像力について。
「想像力は、私の物語にでてくる魔法と同様、道徳的に中立であって、善でも悪でもありません。相手を操作するためにそうした能力を使おうとする人もいれば、相手の身になって考えるために使おうという人もいるでしょう。想像力を一切使おうとしない人もたくさんいます。無関心な態度をとるこどで、邪悪な行為に手をかすことにもなるのです。」

失敗から幸せの本質を学び、他の人々の暮らしが自分のものだったらと想像する力があれば、魔法なんていらないという彼女の発言にはとても共感します。
by kitchenparadise | 2010-02-05 12:12 | 私、こう思う

IHクッキングヒーターで土鍋?

展示会でIH用の土鍋の説明を聞いてきました。正直、何度聞いても納得がいかない。
「IH用土鍋」と書いてありますが、IHで、なぜ無理して土鍋を使わなくてはいけないのでしょうか。IHなら鉄鍋のほうがまだ効率がいいと思うのです。

土鍋そのものはIHでは熱が入らないので、底面にIHに反応する発熱体を転写したり、貼り付けたりしています。銀やカーボンを転写する方法が多いですね。銀やカーボンは温度が上がりすぎて、かえってIHを痛めしまうので、最近は底がIHに触れないように、鍋底とIH間に隙間を設けています。空焚きしたり、焦げた鍋をそのままIHにかけると、熱がそこだけこもり過ぎて発熱体がはげ易くなるという報告もあります。

ガスの火は土鍋全体が温まってから、中の素材に熱を万遍なく通します。IHは、底面だけが温まるのです。当然煮崩れが多くなりますし、鍋の側面が冷たいと火の通りも悪い。
つまり、温まった出汁が鍋を温めてることになるのです。火の通り方が全く違う。土鍋本来の、ふんわりした熱を伝えることができないというわけです。

IHで土鍋を使うのなら、IHクッキングヒーターの会社と土鍋の会社が共同研究して、土鍋全体があたたまる本来のよさを生かした鍋を作るほかないでしょう。

「土鍋は、やっぱりガスですよ。」と言い切るのはIH用土鍋を作っている部長さん。時代の流れに逆らうつもりはありませんが、IHにはIHならではの効率のよい鍋があるのです。ガスにはガスの鍋、IHにはIHの鍋。
by kitchenparadise | 2010-02-04 18:50 | 道具:フライパンや鍋


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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