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村木厚子さん、寄付のニュース

郵政不正事件を覚えておられるでしょうか。
厚生労働省の村木厚子局長(後ろに一つ結びしたメガネの女性)が、2009年、障害者団体向けの郵便料金の割引制度に不正利用があったとして、その責任者としてやり玉に挙げられ長期間留置された結果、結局無罪だったという事件。実は現役の特捜部による違法捜査があったことがわかり、検事らが逮捕されるという異例の事態になったのです。
無罪の村木さんが、拍手で厚生省の職員に迎えらえたニュースは昨年のことなので、まだ記憶に新しいでしょう。

つい数日前、その村木厚子さんが無罪で勝ち取った国からの賠償金を(3770万円から弁護士費用を引いた額)を雲仙市の社会福祉法人「南高愛隣会」(田島良昭理事長)に寄付するというニュースを読みました。

「す、すごい!!!!」 思わず声が出してしまいました。

あんなにひどい仕打ちをされ、人生の大切な時間を家族と離され、同じ国の仕事をする司法の人間から故意に証拠をでっち上げられ、何年もかかって回復した名誉とともに手にした賠償金を、「累犯障害者」を支える施設(基金かな?)に寄付するなんて・・・。彼女の精神的なダメージは計りしれず、このくらいの賠償金額少ないくらいですよ。
保身ばかりで責任もとらず、自分だけは損をしたくないという人が多い中で、村木さんのような意思のある行動には本当に頭が下がります。
ただ単に、「福祉に役に立ててほしい」ではなく、社会が累犯障害者のついて注目してくれることを視野に入れての行動です。

ですので今日はその累犯障害者についてのことを少し。


数年前、元衆議院議員の山本譲司氏が、自身の獄中体験から「累犯障害者」(新潮社)を出版し話題になりました。刑務所での障害者の処遇についての問題提起の内容です。

知的障害者の犯罪者が金銭的に困ったり、行くあてがなく出所してもすぐに犯罪を繰り返す。
社会での実生活が刑務所よりひどいためにすぐに罪を繰りかえす場合もある。
コミュニケーション不足から冤罪被害にあう。
刑務所でのテストでは実に1/4がなんらかの障害を持った人であることがわかったケースもあるといいます。

雲仙の田島良昭さんが、出所した知的障害者の自立支援の機関として、地域生活定着センターの全国的設置を実現させ、そのひとつが今回の寄付をうけとった社会福祉法人「南高愛隣会」です。

検察の取り調べで犯人にさせられた知的障害者がどれだけいるのでしょうか。そのようなことに目を向けて欲しいと、おそらく、村木さんがこのような寄付をなさったのだと思われます。

愛ある、勇気ある行動に、本当に頭が下がります。

そして「すごいな~。」と他人事で終わらせず、共感するのなら私たちも小さくても役割を担うべきなのだと改めて思うのです。
by kitchenparadise | 2012-02-28 18:38 | 私、こう思う

西部ガスで檜山タミ先生の講習

昨日2/26(日)は、「檜山タミ先生によるお話&我が家のソース作り講習」がありました。
私は先生のインタビュー(聞き役)としてお手伝いしてきました。
自分の道具講習より、先生へのインタビュアー緊張しますね~。c0228646_17442025.jpg

先生の小さい頃のお話~江上トミ先生との出会い~昭和39年のヨーロッパ食旅行で学んだこと~ガスやレンジのこと~私たちの役割などなど、先生しか語れないたくさんのお話をお聞かせいただきました。あっという間の1時間インタビューでした。
ミノルカ島に立ち寄って聞いたマヨネーズの話、ドイツに芋料理とキャベツの酢漬けが多いわけ、韓国で焼肉がなぜ始まったかなど、先生の某大で深い知識に、なんだか迷路にはまってしまったような感覚でした。何を聞いてもご存じで、改めてびっくりします。先生の好奇心は海よりも深いって感じです。笑)
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20代の若い方から、子育てを終えられた私の母世代の方もおられ、どなたもとても熱心に耳を傾けておられました。
1時間のインタビュー形式のお話の後は、檜山先生によるソース作り。ご家庭でのドレッシングやソースは、買わずにぜひ手作りしてほしいという先生の思いから、ヴィネグレットソース、ポンズ、焼肉ソース、豆乳のホワイトソース、そしてマヨネーズの作り方の説明と、いろいろとご紹介しました。「食べてみないと覚えませんからね。」と先生は常々おっしゃっていて、先生ご指定の調味料を使って、西部ガス高宮のみなさんが丁寧に50人分の試食を作ってくださいました。c0228646_186166.jpg

最後は西部ガスのみなさんと記念写真。

終了後、参加者のみなさんの喜ぶ顔をみて、ようやく役目を終えてほっとした次第です。
もっとこんな風に聞けばよかったかなとか、時間が足りなくなって最後にまとめられなかったとか、あとからいろいろと反省点ばかりでした。なので、今度はもっと頑張りますのでまた企画してくださいねとお願いしてきました。
参加者のみなさん、いかがでしたでしょうか。私のつたない進行はともかくとして、きっと先生の「理にかなった料理」を知ることで「我が家の味を作り出してほしい」という、これからの女性へのメッセージは届けることができたのではないかと思います。本当に役不足で失礼しました。私自身も改めて先生のお話をお聞きして、引きしめてがんばっていかなくてはと思いました。c0228646_18122338.jpg

by kitchenparadise | 2012-02-27 18:11 | 私の日常と家族

こだわると売れない!?

2泊3日の東京出張から帰宅。東京ビックサイトで行われたギフトショー、東京ドームで行われたテーブルウエア・フェスティバルに行ってきました。
ギフトショーは相変わらずで興味深い商品はひとつもなく、どの会社も迷走中って感じで、全く面白くなかったです(キッパリ!)。お付き合い先とコミュニケーションが取れることと、鍋釜を作っている製作会社の方に直接質問できるいいチャンスではるあるのですけど。

ところで。
キッチンパラダイスでは以前から、大館の曲げわっぱのお弁当箱を扱っています。
樹齢が長い秋田杉は、均一な木目で美しく、熱湯に強く、少々乱暴に扱っても狂わない、こだわりのお弁当箱です。温かみがあり食欲もそそります。ただ、これらはすべてウレタン塗装をしているのです。理由は簡単で、ウレタンを施しておくと油分にも強く、汚れにくいし、洗剤でも洗えるから。その昔は「うるし」でやってたんでしょうが、うるしは値段が高く、簡単に洗えません。
特に汁ものなど、うるしでなければウレタン塗装してないと確かに使いにくい。

ですが、おひつやまな板はどうでしょうか?木材にウレタン塗装をしてしまうと水分が調節できなくなりますので、木の効果がうんと下がります。たとえ洗いにくくてもカビやすくても、水分を調節しながらご飯を保存するのがおひつの役割ですし、まな板は素材の水分を調節するのが役割なので塗装できません。


でも、曲げわっぱのお弁当箱は同じようにご飯を保管するのに塗装してある・・・。う~ん・・・、と思ってギフトショーに出展していた某製作者さんに聞いてみたのです。「やはりウレタンは必要ですか?」って。こういう答えが返ってきました。
「お弁当箱になんも塗ってなかったら、汚れが付いて大変だよ。第一百貨店さんで売ってもらえんよー、かびたり変色したり、飾ってる時に湿気吸ったら商品にならんし、クレームだらけだらけだよ。ウレタン塗らないとどうしようもないよ。ウレタン塗るのは当たり前。」

翌日、テーブルウエアフェスティバルに行くと、
別の曲げわっぱの製作者さんが直売していました。c0228646_1643439.jpg
見てびっくり、2段のお弁当の一段は、中のウレタン塗装をしてないじゃないですか!!

「あれれ、ウレタンしてないですね?ウレタンせずに売っておられるんですか?すごーい!!」
そう聞くと、お店の奥さんがドヤ顔で答えてくれました。
「素人にはわからんやろうけど、ご飯は水分を吸収しないといけないから塗装しないの。
おかずは汚れがつくから塗装してるの。ご飯用のは洗剤で洗ったらダメなのよね。お湯かけて乾かすと台所でちゃんと乾くから。デパートでは置いてないのかって?工芸展で直売することはあるけど、デパートさんに任せて売るのは難しいのよ。洗い方やら保管の仕方とか店員さんはわからんしね。たくさん作って置いておくて商品が湿気吸ってもいかんしねー。」


つまり。お弁当箱としては、塗装しないと使いにくいし売りにくいけど、ご飯専用なら塗装しないほうが理にかなっているというわけ。理にかなったものは、量産して売りにくい。結局、理にかなったものを売りたい時は、工芸展で手売りしなきゃいけないと思っているわけだ。


「ワタシ、こちらの商品取り扱いたいんですけど?」そう切願すると、ニンマリ笑った奥さんはさらにドヤ顔で、
「いいけど、説明できるかね~?」

「できます、できます!責任もって説明します!」

理にかなった商品が存在してるってのは本当に嬉しいし、ほっとします。
これから交渉しなくちゃ。しかし、2段で1万以上、ちょっと高いなぁ。それならいっそ、全く塗装してないのを1段で売ろうかな~。

ニマニマしながら帰途についたのでした。同行した(友人の)なかちゃんこと韓国料理の結城奈佳先生が笑いながらひとこと。
「文ちゃん、曲げわっぱのお弁当の時だけやね~、今日真剣な顔したの。(笑)」

確かに。
by kitchenparadise | 2012-02-10 16:26 | 私の日常と家族

芥川賞 田中慎弥さんの「共喰い」読了

これまで何度も芥川賞を出版日に買いに行ったけれど、発売日翌日にTSUTAYAで「売り切れ」というのはめったにないですよ。数日後にまた行ったら入荷してましたが、店員さん曰くかなりよく売れてるとのこと。あの乱暴なインタビューが部数を伸ばしたんでしょうから、ある意味大成功ですね。


ですが、小説の文体そのものは乱暴でななく、とても丁寧で繊細な人柄を感じさせるものでした。
才能があり、昔の作家らしく、センスある書き手だなと思います。
小説の書き出しの町の描写、乾いた大人たちの表現、どんよりとした町の描写からにじみ出るやるせなさ。下関の方言も効果絶大。こんな内容じゃなければ、入試にでてきてもいいような文体です。作家としてはですよ、あくまで作家としては好きな作家の類に入りそうです。

が、今回の題材が好みじゃない・・・。「性欲」と「暴力」、「血」をテーマにしているのですが、どうもこういうテーマに最近嫌悪感がぬぐえないのです。
昔、「高校教師」ってドラマがあったでしょ。あれと同じで。どんなに小説が上手であろうが、あんまり読みたくないって感じ。性描写が下品とかじゃないのです。なんというか、あんまり言うとネタバレしそうなので言えませんが・・・私の好みの問題。

確かに陰鬱な世界観を書かせたらなんでもハマりそうな作家さんではありますが、こうも才能ある作家なら、芥川賞に挑む作品の題材がなぜこれだったのかな~なんて思います。
だから、他の作品もかたっぱしから読むことにしました。
ほかのもこんな感じなのかしら・・・。


明日から出張に出かけています。なんと新宿で開催される田中慎弥さんのサイン会にでかけてきます。
やっぱり結局はまっているのかしら・・・。(汗)興味あることはありますね。
by kitchenparadise | 2012-02-06 18:30 | 本と言葉

年齢を重ねてわかること

今日、ご常連のお客さまからあるアドバイスをいただきました。こういうお話。
「田中さんは、道具のことをとても詳しいけど、私たちのように60過ぎた人が必要な道具のことは、まだ想像がつかないと思うの。そろそろ重い鍋はきつくなるのよね。厚手の鍋がいいのはよく分かるけど、その年齢になって必要なものって、まだ若くて元気だと分からないものかもしれないですね。私たちくらいの年齢のことを考えた品ぞろえがあるととても嬉しいのだけれど。」

本当にそうだなと思いましたね。考えてなかったわけではないのです。軽くてコンパクトで万能なお鍋が見つかれば、それが一番だとは思っていたけれど、薄くて上等な鍋ってなかなかないんですよね。強いて言えば「銅」ぐらいしか。でも銅は難しいし。

ちょっと早いですが、ここ半年で私、老眼になったのです。老眼って・・・言い方が悪いですね。
年相応に、近くのものが見えなくなった、わけです。本好きで、もともと視力がとても良いせいか、友人たちよりかなり早く悪くなった気がします。
最初は長風呂の時に読んでる文庫本の字が見えなくなって気が付き、そういえば、商品の裏の注意書きも見えにくくなってしまった。

そうなると、スタッフにも注意し始めます。
「商品のポップの字が小さいよー!もっと大きな字で書いてよ。」

都合がいいもんですね。
自分が身をもって体験して初めて気がつくという・・・。

お客様のアドバイスを考えてみたいと思います。
by kitchenparadise | 2012-02-03 19:22 | 私、こう思う

死ぬまでに読んでおきたい100選

タイトル買いはやめておこうと思っているのに買ってしまった本。
「死ぬまでに読んでおきたい国民的作家10人の100選」(未定に残したい名作を徹底解説)洋泉社MOOK

ブルータスや宝島社の「今年の本」みたいなのは買うけど、まさか、こんな中学生か高校生の教科書副読本みたいな本をこの歳になって買おうとは。いや、でも大人のために最近でた本ですけどね。

実は、お嬢がこの春入学する中学から早速宿題がでたらしく。
その国語の宿題内容が、
「次の3冊の指定本から1冊を選び、感想文を400字詰め原稿用紙1枚に書きなさい。①赤毛のアン②杜子春③?(忘れた)」
「それとは別に好きな本を選んでもうひとつ同じように感想文を書きなさい」

「ね、ママ。杜子春ってどんな話だっけ?」「森鴎外の舞姫が本棚にあったけど、あれどんなの?森鴎外の雁とどっちがいい?」「太宰治の走れメロスは?」「夏目漱石のほうがしゅくだいっぽいかな?」

恥ずかしながら、私、本好きなどと自称しておりますが、実は・・・
太宰とか三島由紀夫は得意だけど、芥川はほとんど読んでないー(汗)
山崎豊子は白い巨塔と大地の子のドラマみただけで読んでないし、(汗)
川端康成もあんまり読んでない上、一番好きなのは「眠れる美女」。12歳には説明しにくい内容だしー(汗)

そんなわけで、どないしようかと思っていたところに、この本!あらすじだけはわかる!

娘に聞かれた時に困らない救世主でございます。まさに、知ったかぶりの解説付!親稼業も大変です。

さぁ、なんでもお聞きなさいっ!
by kitchenparadise | 2012-02-01 18:11 | 本と言葉


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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