カテゴリ:私、こう思う( 159 )

つられた味とつくる味

お嬢(現在18才)の味覚が確かだと気が付いたのは、小学校3年くらいの時でした。
お嬢を台所に呼び、料理の味見をさせていたのです。

最初は「少し薄い」とか「少し甘すぎる」とかその程度だったのですが、そのうち、
「みりんをもう少し入れたら」と言い始めたのです。

疲れて帰宅してから夕食を作るからなのか、私が薄味で夫が濃味だったからかわかりませんが、私が作る料理は味がとても不安定でした。
そんな時、お嬢に味見をさせるとピタリと決めてくれていたのです。

トマトソースの塩の加減、お寿司の合わせ酢、煮物のみりんや赤酒、ロールキャベツのスープの分量など、足りない調味料をすべてずばり言い当ててくれます。

中学生になると調子にのって「私、絶対音感ならぬ、絶対味覚やん!」と調子にのる始末。

お弁当に毎日のように出汁巻を持たせるようになると、その日の出汁加減まで言うようになり、あまりにぴたり当たるので驚きました。

「今日の出汁はいりこね。出汁が出汁巻には合わない。」
「今日のはどこのだしのつゆ?」
「今日はカツオだしね、美味しい。」

私もたまには出汁をとらず白だしを使う時もありますが、お嬢にはすべてわかってしまいます。

パンを食べるとどこのパンかもわかります。浮羽のシェ・サガラさんのパンは、どんなに夜中でもダイエットを気にせず食べますし、人気があっても好きじゃないパン屋のは一口でやめます。

とはいえ、いまは一人暮らしですので、そうそうはわがまま言わず何でも食べているようです。

舌の感覚は、子供の頃なにを食べたかで決まると言われています。
決して贅沢をしたわけではなく、自分の家の味をコンビニやスーパー買ってきたソースやドレッシングに任せなかったという単純な体験だと思っています。

味覚は小さい頃が特に大切です。ある程度の年齢になれば、親が口だせなくなりますしね。
すべて手作りとは言わないけれど、自分でだせる味は失敗しても自分で作ってみる。
悪いことではないと思ってます。









by kitchenparadise | 2018-05-15 18:48 | 私、こう思う

三年寝太郎の教訓

GWは日本武道館でのライブに2日間足を運びました。同じライブに2回なんて呆れますかね。笑)
そのアーティストは、オザケンこと小沢健二。
「そういえば、しばらく見なかったのに最近テレビ出てるよね~。」と、お気づきの30代、40代の方もいるでしょう。

そうなんです。ようやく戻ってきました。

オザケンは1998年に芸能界から姿を消し12年間もの行方不明(と言われていた)。ようやく新曲をだして日本のポップ音楽界にカムバックしたのが2017年。
にも関わらず、19年間もの空白期間を経て20年ぶりに帰ってきた日本武道館は、超満席!
幅広い年齢層の様々なファンを熱狂させました。日本の有名なアーティストらも彼の再始動ライブを観に来ていたようです。驚いたでしょね、休んでた人ですから。(芸能界をお休みしていただけですが)

いったい19年もの間、何をしていたのかと思うでしょう。

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彼は19年もの間ずっと考えていたのです。

発展途上国に住んで、世の中のしくみを綴ったり、物語を書いたり。ある時はどこぞの民族衣装を着て数名の観客の前でライブをしたり。
「金持ちのボンボンだからのんびりしている」などと心無いネットの噂もありましたが、今回のライブを観た人は、彼の卓越したギター演奏だったり、楽曲構成だったり、書き物だったりを観たり読んだりして、彼が単に売れなかったとかサボりたかったわけではないことが分かったと思います。彼は彼なりに探究していたのです。

「三年寝太郎」ならぬ「19年寝太郎」です。

「三年寝太郎」とうのは、日本の昔話で、3年間眠り続けていたという男の話。一見するとただの怠け者の男が、突然起き出した末に灌漑で村を救うというストーリーです。仕事もせずに寝ているもんだから周囲はあきれるやら怒り出すやらで、殺してしまおうと言い始める村人もいたといいます。地方によってあらすじは違うようですが。

この「三年寝太郎」っていろんなことを教えてくれます。

みんな寝てる時間が必要だったってこと。そして寝ながら休んだり考えたりすることもあるってことを。
子どもから大人になる過程、時間のかけかたは人ぞれぞれの時間やストーリーがある。立ち止まる必要があって立ち止まっているんだと。
寝た経験のある人は強いですよ。深く自分の心を模索し、周囲や社会の動きまで冷静に見れるようになる。

今の世の中はとかく皆忙しく、次から次への新しいことを要求され、早く行動する人が優れているかのように言われます。
確かに社会はゆっくりは寝てられないのが現実です。でも、一生寝てるだけで満足なんて人はいません。いつかは起きるんです。起きて何かしたいと思う生き物です。
起きる時までにどう過ごすか、何を考えながら寝るか。
自分らしい人生とは何かを模索することになるでしょう。
寝るというのは、考える、悩みつくす、探る、そんな言葉と同義語とも言えます。

起きた時は、動いてばかりいた時より大きな収穫があるかもしれませんし。オザケンみたいに。

おざけんはまたNYへ帰っていったようです。また待たされることになるでしょうが、さすがに今度は19年もは待たないか。笑)

*小沢さんは実際には2010年からマスコミには出らずに日本でのライブ活動を再開。テレビやラジオに積極的にでたりレコード会社から新曲を出したのが2017年ということです。でない間も「季刊 子供と昔話」に「うさぎ!」という社会的問題を題材にした物語を書いています。ご興味のある方はググッて下さい。








by kitchenparadise | 2018-05-09 12:23 | 私、こう思う

チャンスはあるが偶然はない

この1週間、東京や福岡で久しぶりの友人らにたくさん会う機会を得た。
みんなよく頑張っている。仕事にしても子育てにしても。本当によく考え、よく体を動かし、よく頑張っている。私も手を抜かずにやらないとなぁ、と大いに影響を受けたが。

一方、若者はとてものんきだ。

若いからしかたないと言えばそれまでだが、昔の若者と今の若者はまた少し違っているような気がするのは私だけではないと思う。
情報が多すぎるからか、単なる家庭での甘やかしなのか。、
もちろん、見ていると良い面もある。
ある子はムードメーカーで、コミュニケーションに長けている。受け答えは芸能人のようにうまい。
ある子はおどろくほどスマホやPCに強く、いつ勉強したのかというくらい詳しい。スマホで生活の知恵を探せる。(と思っている)
ある子は自己アピールがうまい。「僕は個性的です」アピールが半端ない。

テレビにでていた、
ミスチルの桜井君みたいになると言いながら毎日のバイトのお金をスロットに使っている自称アマチュアアーティスト。
親のお金で何年もアメリカで過ごし、帰国してもどうしていいか分からずバイトを転々をするという女の子。
いつかチャンスをつかんでなんどかなる、あるいはビッグになろうと思っている若者のみなさん。

はっきり言っておきますが、

チャンスはあるけど、偶然なんてありません。

またチャンスがきても続かない。
がんばらない人にチャンスを与えて奮起させるなど、世の中の人たちはそんな甘くない。

活躍している友人たちは「偶然だよ。運がよかっただけ。」というけれど、チャンスをつかむだけの能力が備わっていたわけで、単なる偶然ではないない。

三年寝太郎という話がありますよ。
日本の民話の一つで、3年間の長いあいだ眠続けた、ただの怠け者の男が、突然起き出した末に灌漑(かんがい)など大きいことをするという出世話。その真実は、太郎は3年間ただ眠り続けていたのではなく、いかにして灌漑を成し遂げ、村を旱害から救うかということを考えていたという奥深い教訓が隠されている。

そんなわけで。新学生、新社会人のインタビューをテレビでみて思ったことを書きました。
仕事はイヤ、休みだけが欲しい人は、単なる寝太郎です。



by kitchenparadise | 2018-04-09 14:39 | 私、こう思う

正解のない会話をしよう

昨朝はスタッフミーティング終了後、スタッフらとまかないを食べながらスケートに見入りました。
ほんとに神ワザ。見事で美しすぎる演技に鳥肌たちました。

羽生くんの大ファンのお嬢(18)、帰宅するやいなや熱弁をふるっていました。
なぜ彼がこのような演技構成にしたのか、以前とどう細部を変えてのぞんだのか、自分なりに分析したらしいのです。
羽生君本人に聞くわけではないので、正解かどうかはわかりませんが、なかなか視点が面白く、例えば、
「滑る最初に首を回す角度が浅くなった理由は、たぶん云々...」
「ここでこの振りをしたのは審査員に対して、まだまだ軽くいけるというアピールで、云々...」

私たち親子はこの正解のない思考を会話が多く、お嬢が小さいころから、特にお互いの本の感想などをよくしたものでした。
奇想天外な考え方もOK。「そうじゃないよ」「それ違うよ」はナシ。

「主人公が彼に固執した理由はなんだろうね。」
「著者の言いたかったことはこういうことじゃないのかな。」

私も考えてみると、母とよく本や環境、人間学のような話をしたものです。母は決して娘に言い聞かせることはしません。私はこう思うという言い方をするので、私も子供なりに自分なりの考えを話すようになりました。家族とのこの「正解のない会話」が、本についてだけでなく、政治について、経済について、人の弱さや臆病さ、狡さなど、様々なことを自分なりに考える癖がついたのだろうと思います。

話は変わりますが、昨日Mステに出演していたシンガーソングライターの小沢健二さんは、東大卒ですが、中学の頃に突然学校に行かなくなったそうです。
父である小澤先生はその頃のことを回顧してこう書いておられました。
「息子がなぜ行かなかったのかって?それはしらないけど、本読んでギター弾いてたみたいだよ。あるときから、また学校に行き始めたみたいだよ。本とギターが勉強より好きだったんだなぁ。」

正解を誰からか決められると苦しい。だから家族や仲間との会話もできるかぎり正解を求めないほうがいい。
自由に考え、正解を見つけようとすること、その過程に意味があるかもしれません。






by kitchenparadise | 2018-02-17 11:55 | 私、こう思う

相対的な幸福では満足しない

クリスマスイブイブはお嬢の友達らと過ごし、クリスマスイブは実家に帰ってみんなで食事をしました。ちょっと奮発して取り寄せたフグ刺しや、がめ煮。それに叔父が作ったベーコンや、近所のおじさんが釣ったという鮎のスモークなど。全くクリスマスっぽくはないけれど、みんなで集まって食べるということはなんと幸せなことかと思います。当たり前のこと、フツーの今が幸せに感じる年齢になったのかもしれません。

以前読んだ本に「相対的な幸せでは人は満足できない」と書いてありました。

「相対的」というのは、他との関係において成り立つさま。また、他との比較の上に成り立つさまのことです。

試験で一番になった、ゲームで勝った、人より高いブランドを身にまとう、役職が人より早く昇進した、かけっこで一番に、身長が一番高い、クラスで一番かっこいい...他との関係や比較において成り立つものはすべて相対的です。

誰かを負かして自分が上に立つこと、優位に立つこと、それで得られるのは瞬間の幸せです。それを続けている人は結構たくさんいます。その状況にいる時は幸せに感じるかもしれませんが、ずっと続けられるとは限りません。環境や条件で簡単にいとも簡単に崩れていきます。病気にもなるし、お金もあるとは限りませんし、地位も終わればタダの人です。頑張ったという自負と評価は残るかもしれませんが。

相対的な幸せでは、本当の満足にたどり着かないのでしょう。

逆に、当たり前のことが幸せっていうのはいいですね。人と比べないから。

今日ここにいることが幸せ。成績がよかろうと悪かろうと、お金があってもなくても、たとえ病になったとしても、幸せ、そう思えると最高です。

********************************************
キチパラの年内の営業は12/28(18:00)までとなっています。インターネットでのご注文はいただけますが、発送は1/6以降となります。













by kitchenparadise | 2017-12-26 17:58 | 私、こう思う

教育とは自分を好きになることを教えること

大人になってみんなが言い始めること。
「いい大学をでたからって、いい人生なわけじゃない。」

不思議だ。あんなに勉強しろ勉強しろと言われたり言ったりしてきたのに、そんなことを言いだしたりする。

それにもっと不思議なのは、そうはいいながらも私たち大人は子供には勉強をさせていい大学に入ったほうがいいと本音は思っている。

確かにそれはそうかもしれませんよ。一般的に良い大学を卒業すれば、安定収入への門戸が広くなるであろうことは想像がつくし、なりたい職業の幅は確かに広がる。

野球にずば抜けて才能があるとか、子どもの頃からスケートで成績を残したとかならまだしも、とりあえず上の大学を目指して努力することが良しとされる。

このところ確固たる目標を持てない学生が大半であるらしいから、半ばしかたなく手が届きそうな大学で名の知れたところを目指すことになるのも無理はない。うちのお嬢(高3)によると、学部さえ決まらない友人も多いらしいから、そういうことなんだろう。

日本の受験生は競争ばかりで大変だ。競争の先に大きな夢があればいいけれど。

ある小説にこんな一節があった。

「教育とは、相手を負かして自信をつけさせることでなく、自分を好きになることを教わること。自分が大事でたまらないとおもえるようになること。それが教育だよ。」

この言葉、我が意を得たりと思った。

受験でいい大学に入ることはできても、自分が大事でたまらないと思えるようになるのは難しい。自分の努力で解決できないからだ。

それには、何にもましてあなたが大事だと言ってくれる親や近親者がいてくれるか、そんな理想の大人が身近にいるか、好きなことを十分にできる状況にあるかなどなど、そんなことだろうと思う。

自分を本気で好きになれない場合、相手を負かしてところで人生はイバラの道だ。だって、努力ではどうにもならないこともあるから。勝ってばかりというわけにはいかない。


自分を好きであれば、どんな時でも、次の一歩は輝かしい。

教育は子供にうんぬんと教える前に、大人に課せられた課題だなぁ。






by kitchenparadise | 2017-11-14 10:30 | 私、こう思う

言葉の使い方

昨晩、仕事先の方や友人との夕食にお嬢が同席した。途中、お嬢だけが先に帰ることになり立ち上がった時、彼女が「そろそろおいとまします」とあいさつをしたので少し驚いた。
高校生が「おいとま」を使うとは、なかなかよろしいではないですか。
言葉が少し大人びているのは、別に私が教えたわけではなく、根っからの文学少女である所以だろうと思う。「厠にいってくる」とか「一目散に」など小さい頃から面白がって使っていたし。

それはそうと。先日、「女性の仕事セミナー」の講師をさせていただいいく機会があった。台所道具の講習なら慣れているが、女性のモチベーションをあげるための経験談をまとめるのは準備に時間がかかった。

モチベーションに関して女性と男性を区別する時代でもないが、まだまだ少し地方に行くと、仕事への向きあい方は男女で大きな違いはあるようだ。なので、女性らしいモチベーションとして、とくに女性らしい「言葉」の話をしてきた。

まだ若いころ、先輩が「不躾なお願いですが。」とお客様に話しているのを聞いて、なんて品のある言葉なんだろうと思った。当時は知っていても使えない言葉だったので、手帳に書いて、使うチャンスをうかがったものだった。笑)

ご婦人に道案内をしたら別れ際に「ご親切にありがとう」と言われたのもとてもうれしかった。「ありがとう。」だけでなく「ご親切に」がいい。

ひとことの言葉で気配りができる。反省や尊敬や感謝も、素直に伝わる。

それを理解していただくために、男性のへのほめ言葉を例にあげた。
「すごーい。」としかか言わない相手への誉め言葉を少し変えてみようと。

熱心に経済や政治について数字で表現する男性には「数字に強いね。」とか「論理的ね」「頭の回転が速いね」など少し具体的にほめるほうが嬉しいと思う。
おしゃべりな男性には「会社でも人気でしょう。」武勇伝には「経験が豊富ね。」でもいい。
おとなしい男性には「聞き上手ね。」
「すごーい」「えらーい」では芸がない。

メモを取る女性社員の方もいたから、この手の話は若い子にはウケがよかったよう。笑)
女性の私たちだって具体的にほめられると「お、わかってくれてるな。」と思ってうれしい。


言葉は少し勉強するしかない。簡単なことからでもいい。
雨の時には「お足元の悪い中ありがとうございます。」遠方からは「遠いところからありがとうございます。」
タイミングと状況に応じて的確に言葉を選べれば、仕事は楽しくなるし、会社に貢献もできる。社内でのコミュニケーションもうまくいく。

さきほどの「不躾」という言葉には「唐突で申し訳ない」というニュアンスがある。
「おいとま」にはへりくだる気持ちが伝わる。日本語はとても便利だ。

今日はこの辺で、ごめんください。笑)



by kitchenparadise | 2017-10-27 20:22 | 私、こう思う

「子育ては仕事でなく本能だ」新聞より

先日、某新聞の読者欄に「子育ての価値をゼロ円なんて!」という投書が掲載された。子育ての大変さ、その価値を認めてほしいという内容。
すると続いて「子育ては仕事でなく本能だ!」という反論の投書。

この手の問題は様々なメディアで特集される。生命保険会社あたりが「あなたの子育て・家事の時給をいくらに換算したいですか?」といった不毛な質問をしては、1000円じゃ足りないの1500円だのとどうにもならない多数決を発表し、さらにそれが夫婦の会話にのぼったりする。

妻は家族のために家事や育児に専念したのに、男性には理解されていないという憤りがこのような「お金に換算」という発想を呼ぶのだろう。確かに家事・育児労働を軽んじる風潮があるというのがいまだに否めない。本当にやるせない。

にしても。
「家事や子育てをお金に換算したら」という発想転換は避けてほしいとも思う。
母がそんな風に思っていることを知ったら、子供はどう思うだろうと悲しくなる。
私は子供の頃から親に「あなたたちには何をしても惜しくない」と言われてきたし、父は母に対しても「お母さんが幸せになるなら全財産をかけていい。」と常々聞かされてきた。1時間いくらの換算なんて聞くだけで、居心地の悪さを覚える。冗談でも子供には言いたくない。

「子育ては仕事でなく本能だ」を投稿した58歳の女性はこう書いている。

***********************************************
「そもそも子育てをお金で換算することに違和感を感じます。出産、子育ては仕事ではなく本能だと思うからです。
私も出産前は、喜びや期待より不安や心配のほうが大きかったです。しかし実際に母親になると、その幸福感はいままでに味わったことのないほどのものでした。子供たちのことを世界で一番かわいいと心から想い、何でもやってやろう、できるんだと思う力がむくむくと沸いてきました。(中略)もちろん、社会的に支えが不可欠であることは言うまでもありません。
***********************************************

ところで、先週、4月に結婚したばかりだという若くておきれいな女性のお客様が来店された。桧山タミ先生の著書「いのち愛しむ、人生キッチン」を読み、9月の桧山先生の西部ガス講習には最前列でご覧になったそうだ。

「結婚してしばらくして、仕事で疲れていて十分な料理をすることができないと、なぜ私ばかりが料理しなくてはいけないかしらと窮屈に感じていたのです。桧山先生にお会いして考えが180度変わりました。大切な人と結婚して、私が彼の健康を守れる権利をいただいたんだと思えたんです。彼の体のことを第一に考えて台所に立ちたいと思います。勉強します。」すり鉢を買ってお帰りになった。

桧山先生にそのことをお伝えすると、「料理の時間じゃなくて。その思いだけよね。」とおっしゃった。

日々の子育てに料理にと、どのような思いを積み重ねていくのかは、人としてどうなりたいかそのもの。
桧山先生の言葉をかみしめるたびに、そう思う。



by kitchenparadise | 2017-10-10 18:35 | 私、こう思う

ちらし寿司で五輪はどう?



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いま、海外では和食がちょっとしたブームになっているらしい。
外国人にウケる日本の料理の1位は鮨、2位は焼肉、3位はラーメン、4位が天ぷらと、いかにもな感じだ。海外の主要都市のみならず、いまはアジアの小さな町にまで日本料理が進出しているという。

しかし考えてみると、「鮨」は、この場合「にぎり」のことで、家庭では作らない。
2位は焼肉でそもそも日本古来のものではない。
3位のラーメンは日本で輸入して日本風になったものではあるが、これはファーストフードの部類。
4位の天ぷらは、もっは海外をまねたもので高級品。日本料理ではあるが、油が高級である昔は、家庭料理ではなかった。

せっかく2020年に五輪で海外の方々を迎えるのなら、本当の日本料理、それも家庭料理で迎え入れたらどうだろうか。
五輪を観にきた人たち、選手たちに「これぞ日本の家庭料理」という料理、しかも「ちょっとしたハレの日に作る家庭料理」と自信をもって出せる料理、しかも全国共通でありながら、その地方地方、家庭家庭なりの特色がでる料理.....。

誰からも頼まれていないのに勝手に考えてみた。
これしかない!

「ちらし寿司だ!」

ググってみた。

ちらし寿司(散らしずし)は、酢飯に多種類の具材を合わせて作る寿司の一種である。 「ちらし寿司」の語源は、寿司飯の中、あるいは上に様々な具を「散らす」という意味で、単に「ちらし」と呼ばれる事もある。(ウェキペディア)


わたしの母は「大村寿司」というのをよく作ってくれた。大村寿司は大村地方に伝わる押し寿司。具は普通のちらしと変わらないけれど、四角い。
上は必ず錦糸卵だ。
調べてみると、文明12年のこと。領主の帰還を喜んだ領民らが歓迎のために食事を振舞おうとしたが食器が足らず、浅い木箱(もろぶた)に炊きたての米飯を広げて魚の切り身や野菜のみじん切りなどを乗せ、さらにそれを挟むように飯や具を乗せた押し寿司を作り、兵が脇差しでこれを四角に切って食べたのが現在の大村寿司の発祥らしい。

全国どこにでもあるのに、物語があるのがおもしろい。

関東のちらし寿司は、握り寿司の種として用いる生魚などを寿司飯の上に並べた寿司のこと。基本的ににぎりと同じではあるけれど、一度に全部食べれて豪華だ。

岡山に古くから伝わるバラ寿司は、なんと炊き込みご飯に酢をまぜて作るらしい。順序が逆ではないか!瀬戸内の魚がのるのだろう。


日本全国津々浦々、ちらし寿司が家庭家庭で違うというのがとてもおもしろいのではないかと思う。これぞハレの日の家庭料理。お祝い事のたびにお母さんが作ってくれたほんとの日本の味。


本当は手作りのすし酢が一番だろうが、ミツカン酢さんやタマノイ酢さんが大々的にすし酢キャンペーンをうつのもいいでしょう。
すし桶をもたないご家庭も、この機会にキチパラですし桶をかっていただき、いまのうちに練習を始めてはどうだろう。
わが家だけのちらし寿司。

いいと思います!!







by kitchenparadise | 2017-10-07 18:18 | 私、こう思う

便利好きで、便利がイヤな日本人

最近「便利」について、二極化とも思える取り上げ方に笑ってしまうこと多い。

新聞に、便利なアイテムを「これはすごい!」と紹介する一方で、「便利すぎる社会」という記事が載る。
テレビやラジオで時短・簡単を紹介した後に、桧山先生の「手間をかける」を特集して「やはり大切なことですね。」とコメントする。

いったいどっちなんだー!?

つまり「便利がいいけど、便利すぎて失うものがあるとすると不安」という気づき始めた時代なのです。

それがわかる記事が、先日の朝日新聞に特集されていました。

「便利すぎる?社会」のアンケート。

「いま以上に便利さを享受するのと引き換えに、あなた自身が失うものはあるおもいますか?」

答えは64%が「おおいにある」「少しはある」が28%。

つまり、便利すぎることに不安を覚えている人が92%もいるということなのです。

とはいえ、この解答、新聞の読者が40代以上、50代、60代が多いことも考慮しないといけませんが。

携帯の登場で電話番号を記憶する必要がなくなり、スマホが登場して漢字を書けなくなりました。
クイックルワイパーがでて雑巾がけをしなくなり運動力が減ったのはまだしも、いまや掃除機だって自動です。
料理はレシピが簡単に検索でき、我家の味はクッ●パッド料理。
主食のお米は、鍋では炊けない平成のママたち。
私もそれにもれず便利ライフを謳歌する一員。

7月に桧山タミ先生の本「いのち愛しむ、人生キッチン」の制作に携わって以来、桧山先生のお宅に毎週通っています。
先生がなぜお元気なのか知りたいと、いろんな方が取材にこられます。食べ物がいい、乾布摩擦がいい、考え方が前向き、いろんな理由があるのはあるのですが、究極は、便利を享受していないということにつきるのではないかと思います。

便利すぎない桧山先生の毎日では、とにかく体を動かさなくてはいけません。
目覚ましなしで自然の中で起き、土鍋でご飯をたき、力をいれてすり鉢ですり、雑巾がけをして、手で洗濯をされます。

便利すぎない桧山先生は、いま何が必要か、どんな状況か、この世がこれからどうなっていくかまで見通せます。

便利すぎない桧山先生は、今日も明日も身体を動かしてるからお元気。


先日親戚の家に行ったら、1歳の子がスマホを操っていました。子供はすぐになんでも吸収していきます。
このスマホの操作の代わりに、煮干しの頭をとる方法でも覚えば、一生困らない「生きる術」になるんじゃないかなぁと。

台所道具屋の私からの提案は、「すし桶は濡らしてから使う」「木の製品は風で乾かす」そんな簡単なことを、たった1回でも小学生の子供さんに見せてあげたらいいなぁと思うのです。毎日のスマホのたった1回だけ、道具の使い方にしていただけると嬉しいです。






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by kitchenparadise | 2017-09-20 07:30 | 私、こう思う


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナーAYAの日記。調理道具の実験や考察、お店のお知らせ、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


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