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銅の玉子焼が最高に美味しい4つの理由

「道具で味が変わるわけない」、という方がいたら、まず銅製で作った出し巻きを食べていただくといいでしょう。その舌触り、美味しさはいつ食べてもとびきり美味しいです。

味は画面でわからないにせよ、ふくらみの違いでふんわりとした触感がイメージしていただけるでしょう。同じ材料、同じ量での実験で、一番上は、フッソ加工、真ん中は鉄、一番下が銅製の玉子焼器で焼いた写真です。

銅の玉子焼が最高に美味しい4つの理由_c0228646_1515527.jpg


銅製玉子焼きがなぜそんなに良いのかについて、私はよく4つのことを説明をしています。

①銅製なら2.3分という短い時間で仕上がるので、出汁の風味が損なわれいこと

②中まで火を通すという銅の性質のおかげで、半熟状態で巻けるのため、ふくらみが大きいこと

③温度が一定なので、部分的な焦げがないこと

④道具が良いので、誰がやっても同じように美味しくできること


もうひとつ付け加えると、銅もコーティングの錫も、素材をまろやかにするという点で美味しくなる理由のひとつだろうと思います。

半熟状態で巻いていけるというのはこんな感じです。

銅の玉子焼が最高に美味しい4つの理由_c0228646_1515562.jpg

この状態でクルクル巻いていきます。巻終わることには十分に中に火が通ります。

ごはん、お味噌汁、出汁巻、お漬物。これだけで十分に満足できる豊かな食事になるでしょう。
お正月の伊達巻もふっくら見事に仕上がります。

銅の玉子焼器は一生もの。ですから、ある程度の厚みがあるもの、量産でないものを買っていただたほうがよいと思います。取っ手はたいてい木なのですが、これも取り替え可能なほうがいいと思っています。

銅の玉子焼が最高に美味しい4つの理由_c0228646_16141143.jpg



you tubeで出汁巻の作り方をご覧いただけます。 「銅製の玉子焼き」you tube

私が以前に書いた銅の玉子焼き実験の詳細はこちら

銅を使うにあたって、銅の玉子焼きルールその1ルールその2をお読みください。

************************************

銅製品は一生モノです。製品によって全く使い勝手が違い、また取扱いやメンテナンスがとても大切な道具です。
キッチンパラダイスでは銅についてスタッフみんなで勉強しています。変色、再生などのご相談も承っていますのでご購入後もご安心ください。

■ブログカテゴリー「銅鍋」「銅の玉子焼」も御覧ください。

キチパラでの銅鍋オンライン購入はこちら、銅の玉子焼器の購入はこちら.

Kitchen Paradise
福岡市中央区白金1-4-14 092-534-6311



# by kitchenparadise | 2016-12-06 08:00 | 道具:銅の玉子焼

キチパラ忘年会

今年も小郡市の「さとう別荘」で、スタッフとスOGが集まっての忘年会がありました。
大正末期に地元の豪主によって建てられた風情ある建物で、お庭もとても趣きがあります。

しかも、このシーズンは天然の鴨が解禁されたばかり。ここは、毎年11月~2月だけ野生の野鴨をいただける数少ない鴨料理屋なのです。
私たちがいただいたのは、狩場焼きと鴨鍋。こちらは狩場焼き。

キチパラ忘年会_c0228646_13243679.jpg

もう、柔らかくって、旨味があって、ほんとめちゃくちゃ美味しい。みんなが2年連続で行きたがるはずです。

わざわざ福岡から急行で30分かけて小郡まで行き、そこから歩いて10分です。
予約でかなり埋まっていますから、行きたい方はお早目の予約が良いようですよ。

集まったOGはキチパラ1年目から6年目までスタッフだったあかねちゃんをはじめ、14年目に入ってきた宮崎さんまでの13名。東京に転勤していった久保田さんも駆けつけてくれました。
約3時間。

話しに熱中しているのか、撮影しているわたしにほとんど気がづかず。笑)
キチパラ忘年会_c0228646_1330454.jpg


古いスタッフは20代後半からキチパラにいて、いまは40代。子供たちもみんな大きくなっていきます。
みんないろんな経験や試練を超えて、頼もしくなっていきます。
これからも健康第一に、ストレスをためないように、そしてこうやってたまには集まって楽しく過ごして、前向きに過ごしていきたいねと話しました。

今日の結論は、キチパラのスタッフはみんな男っぽい。私を筆頭に、ってことになりました。ハハハ。
また来年、元気で集まろうね!!

パチリ!
キチパラ忘年会_c0228646_1337588.jpg

# by kitchenparadise | 2016-12-05 13:37 | 私の日常と家族

定番、ポテトマッシャー

私のずいぶん前から使っている大定番のひとつが

このOXO(オクソ)ポテトマッシャーです。

ほんとに使いやすくって、いつも自宅を訪れる友人にことあるごとに勧めています。

OXO(オクソ)というのはアメリカの家庭用品のブランドで、特にユニバーサルデザインのアイテムにはスグレモノがいくつかあります。でも正直、ここ10年デザインや規格がコロコロ変わったり、新商品などが多すぎて不安定なため、あまりキチパラではラインナップしなくなっていました。でもこのマッシャーだけは違います。一切デザインも規格も変えず、何十年も前から大定番。
定番、ポテトマッシャー_c0228646_15331577.jpg


ステンレスヘッド部分がくねくねになっていて、穴があいたマッシャーと違って目詰まりがせず、
取っ手のグリップがすべりにくく、柔らかくてヒダがついてて力が要らず、握りやすく、
つぶす部分が大きいので、スピーディ。


定番、ポテトマッシャー_c0228646_16232540.jpg


かぼちゃやポテトのマッシュが超ラクチン、気持ちよいほどスムーズにできるマッシャーです。
これから一本買いたいなという方は、オススメ。クリスマスプレゼントにもいいと思います。
ながーく使えるし。
ちなみに、ポテトサラダは丸のままセイロで蒸してから皮を剥くのがおすすめです。


# by kitchenparadise | 2016-12-02 16:29 | 道具:キッチン道具全般

おやすいごよう

「今夜、電車で帰るからね。」と電話で伝えおくと、、1時間に2本の急行が止まる実家近くの駅に、到着時間ごとに車で迎えにくる父。

「お父さん、わたし何時に乗れるか分からないし、歩いて5.6分なんだからお迎えはいいよ。」と毎回言うのに、それでも何度か迎えにくることが多い。
お嬢(孫)がひとりで実家に帰る時は、ほぼ間違いなく改札口まで迎えにきているらしい。
何度も駅に迎えにきて、ようやく私とお嬢が降りてくるとニコニコして迎え、「はい、おかえりおかえり。」と言って孫の肩をたたく。
車に乗り込んだあと「何度も悪いね」と詫びると、父はいつも
「おやすいごようです。」と、言う。

昔からそう言っていたのか定かではないけれど、少なくともこの20年くらいは、何をやっても父は「おやすいごよう」と言っている。

それを意外とすごい言葉だと私が認識したのは、ごくごく最近のこと。わたしが親になって、それもしばらくたってからのこと。


親は子供に対して100%の愛を注ぐ。注いでいるつもりである。
なのに「私だけがしてあげてばっかり。」と思ってしまいがちになる。
自分がしたことが報われない感があるのか。

「こんなに毎日塾の送り迎えしてやったのに感謝もしないし。」
「こんなに高い塾の費用だしたのに全く勉強しないし。」
「毎日朝早く起きて、弁当作ってあげてるのに、あたりまえとおもってるのよ。」
そういう相談もよく受ける。

高校生のころ、私自身、塾の送り迎えに心から感謝を感じていたかというと自信ないし、高い塾費だしてもらったのに高校受験は落ちたし、母のお弁当に毎日ありがとうとは言ってない。

多大なる心配と迷惑と手間をかけてきたにも関わらず、両親は常に私に対して「おやすいごよう」だと言ってくれる。
親の愛情の深さをしみじみと感じる年頃になってきた。


おやすい御用とは(weblioから)
相手の依頼に対してそれは全然苦ではない、気軽にできる事柄だということを表明する場合の言い回し。


# by kitchenparadise | 2016-11-28 13:27 | 本と言葉

キッチンパラダイスのなりたち その1

キッチンパラダイスは今年15周年を迎えました。ありがたいです。

多くのお客様にかわいがっていただき、歴代のスタッフはもちろん仲間や家族に助けられ、決して順風満帆とはいえませんが、なんとか楽しくここまで仕事をやってこれました。

福岡県女性起業講座の卒業生ということもあってか、以前は女性起業セミナーのパネラーの大役を仰せつかることもありましたが、15年も経つと、なぜお店を始めたか、どんな困難を乗り越えたかなどをお話しする機会もありません。キッチンパラダイスの起業物語は恐ろしく参考にならないものです。おなじやり方で店を開きたい人が友人にいれば、わたしは大反対するでしょう。

大いなる反省も含めて、この日記で気まぐれな連載で書いてみようと思います。

その1です。

キッチンパラダイスは2001年に開業しました。オーナーになりたかったとか、儲かりたいとか、起業精神があったわけではありません。20歳でカリフォルニアのサンタクルーズという町に短期留学した時に通っていた小さなキッチンツール専門店「CHEFS」がきっかけなのです。

私の父は商社経営で出張が多く、海外からのお土産といえばブランド品ではなく、めずらしいステーショナリーや、料理好きな母に買ってくるキッチングッズでした。ダンボールを開けるのがとても楽しかったのを覚えています。

20歳で初めてアメリカに渡り、ステイ先から近かったキッチングッズショップ「CHEFS」に通うようになりました。珍しいもの、料理意欲をくすぐる道具がいっぱいで興奮しました。店員さんは日本のように若い人でなく、ほとんどが年配の方。私が質問すると商品のことからレシピまで何でも答えてくれました。

こんな店が近くにあったらいいのに.....と思ったことがキッチンパラダイスを作った理由です。

国内外の展示会や道具屋に足を運んで勉強していたところ、お嬢(16歳)がお腹にいることが判明。開業予定を少し遅らせ、お嬢が1歳5か月、私が33歳と4か月の時に開業しました。

私の販売経験は学生時代のマクドナルドのバイトだけ。右も左もわからないのに、なぜか自信と夢だけはありました。不安は全く無かったんです。ひどいもんです。

会社設立はブックオフで500円で買ってきた本でできました。自分で手続きしたらお金がかからないと書いてあったから。
手書きの書類を公証役場に何度も提出しては突き返されました。背中にしょっていたお嬢は、公証役場の優しい事務のおばさまが抱っこしてくれていました。

私の経営計画書は今考えるととてもヒドイものでした。当時の国民金融公庫の担当者はちらりと紙を見ただけで閉じ、読んではくれませんでした。私は当時の企画書を「バラ色の企画書」と名付けています。笑) うまくいくことを前提に作った企画書は、1日何十人どころか何百人もお客様が来店するように企画されてます。コワイもの知らずというより、はっきり言っておバカさんです。

なけなしの貯金と、それ以外は1千万近くを金融機関に借金をして始めました。未経験の主婦がです。
私はなぜ怖くなかったか、それは父の影響です。

当時夫はもちろん反対でした。未経験で長女は0才。普通の人なら反対です。無鉄砲な嫁を、(私の)父にも反対してもらおうと、家族で実家に帰った時のこと。

開業したいと言った私に父がかけてくれたのはこんな言葉でした。
 
「君が失敗するイメージは全くないなぁ。」


すかさず母も「週末は協力してあげるから。」

姉は「店名何にするの?」

こんな能天気な家族のおかげで(!?)ポンコツ船は、地図なし、燃料無しで船出することになったのわけです。

# by kitchenparadise | 2016-11-21 18:05 | キチパラのなりたち


福岡の台所道具専門店「キッチンパラダイス」のオーナー日記。お店のお知らせ、調理道具の実験や考察、そのほか個人的な日常も毎日綴ります。ご連絡はキッチンパラダイスのHPからどうぞ。


by kitchenparadise

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